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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十一話 ミッドランド王国
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進退

「それ、何かな?」



 少し息が上がっているシャルが不思議そうに紐を眺めていた。

 それを俺は鑑定してみる。



【名前】 鯨の髭 【種類】 素材 【状態】 特に変わったところはない 【買値】 銀貨二十枚 【売値】 銀貨十枚 

【詳細】 かなり丈夫な鯨の髭。様々な用途に使える。



 鯨の髭か……。かなり丈夫みたいだけど、今すぐ使い道はないかな。



「それはさっきの魔物の髭みたいだね。とりあえずカバンにしまっておくよ」



 俺は魔石と髭をしまうとボス部屋にある扉を開ける。

 他のダンジョンと同じでここにもしっかりと魔法陣が描かれている。それに触れると光が灯り、使えるようになる。



「今日のところはもう戻ろうか……。この調子で進むわけにもいかないし、何か対策を考えないとね」



 俺が確認を取るとみんな頷いてくれる。

 本当ならブライトを助けるために先へと進むべきなんだろうけど、すでにみんな体力がギリギリだったようだ。


 魔法陣に触れると地上付近の魔法陣がたくさん描かれた部屋に戻ってきた。



「ふぅ……、なんだか埃っぽいな」



 地上まで戻ってくるとため息ながら言う。まぁ砂浜をずっと歩いていたからか砂まみれであった。



「足が少し重いのにゃ……」



 いつも元気なニャーですら体にくるほどの疲れ……これは念入りに休まないと明日は動かないかもしれない。



「わ、私も……少し疲れたよ……」



 シャルも控えめに言ってくるが、その足はプルプルと震えていた。やっぱりここで引き返してきて正解だったな。



「それじゃあ街に帰ろう」



 俺の号令とともにみんな手を大きくあげて街へと戻っていく。



 ◇



 そして、街へと戻ってくると日も沈み始め、薄暗い廃れたような街並みが広がった。



「とりあえず宿に戻りましょう。また明日あのダンジョンの奥へと向かわないといけないから……」



 確かにシャルの言う通りだ。今度こそブライドを助けないといけない



「よし、早めに戻ろう」



 俺は歩くペースを上げて宿へと向かっていく。



 宿に戻ると俺は先に風呂へと入ることにした。


 大浴場は混浴……と言うこともなく男女しっかりと分かれていた。



 まぁ、そうだよな……。



 どこかホッとする反面、がっかりとする自分がいた。しかし、気を取り直して脱衣所へと入る。


 かなり広々とした脱衣所……。しかも人は誰もいない。お客が俺たちだけと言うことを考えるとこの男湯は実質僕の貸切状態ということだ。


 安心しきった状態で服などを置くと浴場へと入っていく。

新作を公開させてもらってます。

現在週間総合2位の作品になります。

よろしければそちらも併せてどうぞ。あらすじ下のタイトルより飛べるようにしてあります。


タイトル

『転生領主の優良開拓〜前世の記憶を生かしてホワイトに努めたら、有能な人材が集まりすぎました〜』

あらすじ

元社畜の俺は過労死の末、魔族や有力貴族の領地に挟まれた弱小領主の息子に転生していた。

魔物の襲撃による両親の死で領地を引き継ぐことになったものの、領民もその騒動でいなくなってしまう。

しかしこんな危険な領地に来てくれる人なんているのだろうか?

いや、それなら求人の条件を良くすれば良いんだ。


『毎週二日の休日』『残業はなし』『安定した給料』『福利厚生』


徹底的にホワイトとなるように心がけると、Sランク冒険者や賢者、聖女、挙げ句の果てには勇者や魔王すら雇われに来てしまった。

もしかしてこの世界も意外とブラック?

よし、それなら俺が徹底したホワイトな領地を目指してやろう。


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