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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第一章、クルードフダンジョン、第1〜5階層
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地下四階層

 クルードフダンジョン、第四階層。ここからは雰囲気がガラッと変わり、土がむき出しになったダンジョンらしい雰囲気となっていた。

 ここには岩肌のロックウルフ、あとはコウモリのような姿をしたロックバットが生息していた。

 基本的には物理攻撃が効きにくい魔物なので注意が必要……ということだ。



 ミーナからの情報をまとめるとこんな感じだった。


 しかし、ミーナの【強化魔法】でグランを強化し、さらに【妨害魔法】でロックウルフを弱くさせる。

 そこまですると【槍術】スキル持ちのグランの突きで倒すことができた。


 ただ、そこまでして出てきた魔石は虫たちと同じ銅貨三枚にしかならないらしい。なのでここもあまり人はいなかった。

 まぁおいしくない階層に長居しても仕方ないし、俺たちは早速階段を探すことにした。




 しばらく探し歩いていると今度はロックバットを見つける。しかし、通路の天井にへばり付いてるロックバットをかわす方法はなさそうだ。


 仕方なしに俺とグランはそれぞれの武器を構え前に出る。そして、ロックバットを【詳細鑑定】する。



『ロックバット、レベル4』

【吸血、レベル2】

【岩肌、レベル2】



 やはりこの階層までくると強いな。

 自分で相手に出来るかは少し不安が残る。

 でも、ミーナに【強化魔法】をかけてもらった上でなら相手にできるか?


 剣を構え、飛びかかってくるロックバットに切り掛かる。


 ガキンッ!!


 おおよそ生物を切ったとは思えない音が鳴り響く。

 そして、切り掛かった俺の手がジーンとしびれてくる。



「……っ!?」



 思わず後ろに下がる。

 しかし、ロックバットはその鋭い牙を見せつけ、襲いかかってくる。襲われないように再び剣を振るう。しかし、今度は当てることすらできなかった。


 じわじわと追い詰められていく俺。後ろでシャルがグッと杖を握りしめていた。

 何か魔法を唱えようとしているのだろう。

 隣では別のロックバットを普通の魔物と同じように軽々と突き倒していくグラン。

 さすがに彼には負けてられない。


 俺はギュッと剣を握りしめ、どこかに隙がないかを調べる。しかし、体の外には隙らしい隙は見つからない。


 そうしてるうちにロックバットは口を開け、血を吸ってこようとその牙を向けて襲いかかってくる。

 その時、俺はとあることを思いつく。


 もしかしたら、あそこなら……。考えてる間もない。やってみるか。


 俺は血を吸われる直前、その口の中に剣を突き立てる。

 口の中は俺の想像通り、岩肌となっておらず、柔らかかった。

 その剣が突き刺さったロックバットは大きく目を見開き、驚きを見せたかと思うと、そのまま地面に落ちていき、姿を消してしまった。


 残された魔石を取ると、その間にグランが残りロックバットを倒してくれていたようだ。複数個の魔石をジャラジャラと音を鳴らしながら持ってきた。



「何だか急に槍が軽くなってな。おかげで倒すのが楽になったぞ!」



 とグランが言うので、俺はふと気になり【詳細鑑定】を使ってみた。



【白色冒険者証、レベル3】

【槍術、レベル2】

【体力、レベル3】



 確かに戦っているうちに【槍術】のレベルが上がっている。

 なら俺たちも……。ということでシャルのをまず調べてみる。



【白色冒険者証、レベル2】

【火魔法、レベル2】

【聖魔法、レベル2】

【魔法威力強化、10倍】



 シャルの魔法レベルも上がっていた。そういえば最初の火の玉から考えれば様々な魔法が使えるようになっていたな。


 そして、ミーナも調べてみるが、彼女の方は初めの時と変わっていなかった。


 あと、俺自身は……だが、さすがにダンジョン内に鏡を持ってきていなかったため調べることはできなかった。戻り次第調べてみよう。

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