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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十一話 ミッドランド王国
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町調査

「それで依頼主とは会えるのか?」


 一番肝心なことをブライドに聞いてみると彼は首を横に振ってしまった。


「いや、王女様は現在城にいるのだが、問題はその周りだ。おそらくさっき調べてくれた問題点……。それが全員かかっている」


 全員に凶化が?

 いや、どうしてそんなことがわかったんだ? もしかして、王女様が凶化の原因?


「その顔は王女様を疑っているのだろう? その気持ちはわかるがそれだけはないと断言しておこう」


 ブライドがあっさり断言していた。

 つまり、それ以外に何か原因があることを調べられるのか……。


 一瞬鑑定持ちかと思ったが、ただの鑑定じゃ調べられないだろう。おそらく俺のような詳細鑑定持ちか、もしくは別の…点。


「ユニークスキルを持っているのか……。鑑定に近い……」

「あぁ、何でも犯罪を犯したものだけを特定することができるらしい。それで調べた結果、王女様以外の周りにいる全員が犯罪者だったと言うことらしい」


 なるほどな。それなら確かに怪しいと思うわけだ。


 でも、そう考えると次の疑問が浮かんでくる。


「それならやっぱりわざわざ俺に頼むのはおかしくないか? 遠方に住んでて得体も知れない人物だぞ」

「いや、貴君の名声はこの国にも届いているんだ。なかなかいろんなところで人助けをしているみたいだな。その点と二つ名『鑑定』の部分を併せて頼むことを決意されたみたいだ。とりあえず、まずは町を見てもらいたい。こっちに来てくれるか?」


 ブライドに案内されて俺たちは町の方へと出てくる。

 町中の人たちは何一つ様子が変わらずに平穏な雰囲気に見える。

 ただ――。


「やはり鑑定してみると全員が凶化持ちだな」

「――そうか」


 でもここまで全員にかかっているなら逆にかかっていないブライドが怪しく思えてくる。

 俺がブライドを訝しんでいると彼から弁明してくる。


「やっぱり俺が怪しいよな。王女様もはじめは俺を疑っていたんだ。ただ、その理由ははっきりしてるんだ。俺たちが王女様の護衛として隣町に行っていたときがあるんだ。どうやらこの病気の原因はそのときに広まったようでな。そのときに隣町に行った者は誰もなっていなかったんだ。それは王女様が調べられたから間違いない」


 すでに調べているのか……。


「それじゃあさっきの門番も?」

「あぁ、元々はかかっていなかったやつだ。おそらく門番の仕事をしているときに……」


 さすがに警戒を促されていただろうが、その上でかかったとなると相手は普通の人と考えるのが妥当だろう。

 しかも王女様以外は全員かかっているわけだから普通に国王様にも会える人物……。

 まだ見当はつかないが大分限られることになりそうだ。

 問題はこんなことをしてその人物に何のメリットがあるか……だな。

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