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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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再戦

『最強の大賢者はスローライフがしたい』改め『スローライフがしたい大賢者、娘を拾う。』がMFブックス様より書籍化します。詳しい内容は活動報告にて。

「一撃か……」


 ラインが驚きの声をあげる。あれだけ自分が苦戦をしたのにあっさり倒してしまったのが驚きだったのだろう。


「ここの魔物は動きが遅くて硬い魔物だから、剣で攻撃しようとしたらダメだよ。今みたいに魔法で攻撃するか、いっそ無理に戦う必要はないからね」

「あぁ……」


 ラインは頷いていたものの、シャルの魔法に驚きすぎてどこか上の空であった。


「それじゃあ次の階層に向かおうか」


 ゴーレムは無理して倒してもあまり高値で売れる素材を落としてくれないのであまり旨味がない魔物だ。硬い体を攻撃すると刃先がこぼれたりするし、その結果ゴーレムを倒したとしても、落とすのは品質の悪い魔石だけだ。


 それならば次の階層に行って別の魔物を倒す方がまだ旨味がある。


 しかし、ラインは首を横に振る。


「いや、なんとか俺一人でゴーレムを倒せるようになるまで待ってくれないか?」


 一人で倒せなかったことがよほど悔しいようだった。ただ魔物も多数いるわけだし、苦手な魔物が一体いたとしても悪くはないと思うんだがな。


「わかった。次現れたゴーレムだけな」


 あまり長居して、下層の攻略が遅れるのも困る。

 その提案をラインにしてみると彼は小さく頷いていた。




 それからゴーレムを探して二階をうろうろと回る。

 元々あまり数が多くなかったようでなかなか見つからない。


 ただ、探している間にラインは戦い方のイメージをしているようだった。これならば次はもっといい戦い方をしてくれるだろう。




 そして、少し開けた場所にゆっくりと歩いているゴーレムがいた。

 待ち望んできた相手にラインは少し嬉しそうだった。


「よし、俺がなんとかしてやる!」


 ラインが剣を構えて前に進んでいく。

 ここまでは先程ゴーレムと戦った時と同じようだが、無理に突っ込んでいくことはせずにゆっくりゴーレムを中心に円を描くように動く。


 おそらくラインはどこかにゴーレムの弱点がないか探っているのだろう。


 俺も一応同じ能力のゴーレムかを調べておく。


『ゴーレム、レベル2』

【鈍感レベル5】

【怪力、レベル2】


 以前戦ったゴーレムよりぐっと鈍感スキルが上がっていた。つまり痛みを感じにくいようだ。


 ラインで大丈夫だろうか?


 少し不安になりながら彼がどう動くかを眺めていた。


「シャル、もう一度魔法の準備をお願いね」

「はい、わかりました」


 ギュッと力を込めて杖を握るシャル。

 そして、ラインは一周回り終えるとゴーレムに向かって駆け出し、真っ直ぐに剣を突き立てた。

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