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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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ゴーレム

鑑定使いの冒険者三巻が本日発売になります。すでに早売りしてるところもあるそうです。

もしよろしければお手にとっていただけると幸いです。

詳しくは活動報告にて書かせていただきます。

 ラインはゴーレムの姿を見かけると嬉しそうに駆け寄っていく。


「シャル、魔法は使えるよね?」

「は、はいっ、いつでも使えますよ」


 一応確認だけしておくとラインの戦いぶりを眺めることにした。


「うおぉぉぉぉぉ!!」


 ラインは力の限り振りかぶってゴーレムに切りかかる。

 それに対してゴーレムは反応らしい反応を見せない。

 生き物……というより魔法で動いている魔道生物だもんな。敵だと認識しないと襲いかかってこないのだろう。


「えいっ!!」


 力の限りを振りかぶったラインの攻撃は当然のことながらその硬い石の体を持つゴーレムによって弾かれていた。

 しかもそれだけではなく、ラインの剣はゴーレムに切りつけた衝撃でぽっきりと折れてしまった。


「えっ、嘘だろ!?」


 ラインは自分の剣を見て呆然としている。

 そして、ゴーレムは攻撃を受けたことでラインを敵と認識し、ゆっくりと彼に近づいていく。


「ライン!!」


 俺は彼に向けて声をかける。するとハッとしたラインがその場から離れる。

 間一髪といった感じで先程までラインがいた場所にゴーレムが拳を振り下ろしていた。


 ドゴンッ!!


 まるで爆発でも起こったかのようなほど大きな音が鳴り響く。

 そして、ゆっくりと拳をあげるゴーレム。

 その振り下ろした先は硬い地面だったのだが、ひびが入っていた。


「まともに食らうとまずそうだね」


 冷静にゴーレムを観察する。威力は大きいものの動きが遅いので避けるのは簡単そうだ。


 倒すことに固執さえしなければどうとでもなりそうだ。

 あの固そうな体を破壊するのは大変そうだからな。

 ただ、ラインの考えは違うようだった。


「くそっ、剣が効かない魔物か! ならこれでも喰らいやがれ。『闇のダークショット』」


 闇の弾をゴーレムに向けて放つライン。

 黒い闇の衝撃波によってゴーレムは僅かながら後ろに仰け反る。ただ、ダメージらしいダメージは受けておらず、再びラインの方へと向かっていく。


「く、くそっ、なんで効かないんだ」


 躍起になってひたすら魔法を放つライン。ゴーレム相手の戦いは彼の成長にちょうどいいかもしれない。

 自分の攻撃が効かない相手に会った時、どういう選択をするか……。


「シャル、ラインが攻撃を受けそうになったら魔法を放ってね」

「は、はいっ!」


 杖をグッと握りしめるシャルを横目にラインの動向をしっかりと確認する。

 初めは動揺したのか、一瞬仰け反ってくれたゴーレムだが、何度も受けているうちに怯む事すらしてくれなくなる。

 そして、ついにラインの目の前にゴーレムがやってくる。その拳を今にも振り下ろしそうになっているが、ラインは逃げようとはしない。

 顔を真っ青にしてゴーレムを睨みつけていた。

 そんな彼の様子を見て俺は大きく溜息を吐く。


「シャル、お願いね」

「わかりました。『ファイアー』」


 シャルの杖から火の玉が飛び出す。そして、それがゴーレムにぶつかる。


 ドカァァァァァァン!!


 一瞬地面が揺れるほど激しい衝撃の後、ゴーレムは後ろに倒れていった。

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