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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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少年の境地

本日、鑑定使いの冒険者一巻が発売となりました。

よろしければお手にとっていただけると幸いです。

 その魔法を放ったのは中にいた少年だった。

 少年の魔法で吹き飛んだ扉。

 その空いた穴から少し息を荒げて、中から顔を出している少年の姿があった。


 確かに驚いたもののやはり魔法の威力は弱い気がした。

 他の……今まで戦った魔族なら俺たちが避けるような隙を作らないだろう。

 おそらく高威力の魔法で家ごと吹き飛ばして終わりだ。

 それが出来ないと言うことは本当は魔族ではないのか? いやいや、鑑定の表示をごまかすことは出来ないだろう。となるといったいどういうことなんだろう?


 少し悩みながらもとりあえずここにいては危ないので少し距離を開けて様子をうかがう。

 しかし、向こうから襲ってくる様子はない。

 本当に俺たちがここに来たから仕方なく襲ってきたという感じなのだろう。


 それならやりようがあるかもしれない。


「俺たちは戦いに来たんじゃない。少しでも話をさせてくれないか?」


 俺は少年に呼びかけてみた。

 すると少し迷っていたようだが、俺の問いに答えてくれる。


「うそを吐くな! そんなことを言って近づいてきた俺を襲うつもりなんだろう! 今までのやつもみんなそうだった!」


 それでこんなところに隠れ住むようにすんでいるのか。

 それでもいつまでも盗賊のように盗みをしていては最終的には捕まってしまって終わりだろう。

 なんとかそれをやめさせないと……。


 しかし、今の手持ちではどう考えても少年を説得する道具が足りない。ここは出直すのが正しいかもしれないな。


「いや、俺たちは襲うつもりはない。今後そのことがわかったら話を聞いてくれるとありがたい」


 それだけ伝えると今日のところは家へと戻っていった。




 そして翌日。

 俺とシャルはたくさんの食べ物を購入して同じように少年の元へとやってきた。


「なんだ、また来たのか! 帰れ!」


 俺たちの姿が見えた途端に怒鳴ってくる少年。しかし、それで引くわけにも行かない。

 俺は少年に見えるように食べ物を掲げながらまっすぐに進んでいく。


 さすがに食べ物を持っていた俺は攻撃されずに壊れた玄関まではやってくることができた。


 しかし、少年は威圧的な視線を向けてきている。

 それだけではない。いつでも魔法を打てるようにしているのか、俺の感覚でもわかるほどに魔力が貯められているのがわかる。


「それで一体話とは何なんだ!?」


 一応話は聞いてくれるらしい。しかし、その威圧的な態度と裏腹に視線は俺が持っている食べ物に注がれている。

 でも、そのことを隠すようにチラチラと振り向くにとどめているが俺から見たら一目瞭然だった。


 しかし、よけない波風を立てても仕方ないのでそのことには触れずに俺は話をする。

新作始めました。


『ポーション売りの少年 〜彼のポーションは実はなんでも治す伝説のエリクサーでした〜』


以下あらすじ

 ポーション売りの少年、シィルは小さな怪我や風邪に使う普通のポーションを販売していた。


 しかし、実はそれがポーションではなくてどんな怪我、病気も癒す伝説の薬、エリクサーであるということはシィル自身は気づいてなかった。


 そして、いつもと変わらない毎日を送っていると息苦しそうに歩いてくる貴族の少女と出会う。


 実はその子は薬師や医師、魔法使いに見てもらっても治せなかった難病を患っていたのだが、気休めに渡したシィルのポーションで完治してしまう。


 それからただのポーション売りだったシィルの生活は知らずに治療した人の影響を受け、少しずつ変化していく――。


よろしければ↓にリンクがありますのでそちらからどうぞ。


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