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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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泥棒の少年

鑑定使いの冒険者が書籍化されることになりました。詳細は活動報告に。


また、書籍化に伴ってタイトルを『鑑定使いの冒険者』とサブタイトルを抜いた形に修正させてもらってます。ご認識よろしくお願いします_( _ ๑>▽<)_ぺこりっ

 さすがにこのまま見過ごすわけにはいかず、注意を促そうとする。

 しかし、鑑定結果がそれを阻む。



【闇魔法、レベル1】

【身体能力強化、1割】

【魔族】



 魔族!?

 その信じられない表示結果に俺は困惑する。


 今までの魔族だとダンジョンで戦ってきた……あのダンジョンの性質すら変える相手だ。

 しかし、この少年はそんなことをしていない。


 それどころか、今までの魔族みたいに特段強いスキルを持っているわけでもないし、何か悪いことをしているわけでも……いやいや、泥棒は悪いことだけど、人に危害を加えるようなそういったことはしていない。


 それなら別の対処方法があるかも――。


 そこまで調べたあと、あることを考え少年を追いかける。


 しばらく少年を追いかけてみるとたどり着いたのは町の外だった。


 少し行った先にある森の中――そこに建てられた小さな小屋の中に入っていく少年。


 そこで何やら辺りをキョロキョロと見渡した後にゆっくり扉を閉めていった。


 まるで何かを怯えるように……。


 もしかして……。


 少し考えて可能性はあると思い俺たちはその小屋の近くへとやってきた。


 中からは物音一つしない。

 今ここで少年が入っていくところを見ていなかったら中に誰かがいるとは思わなかっただろう。


 しかし、中に入っていくところを見てしまった今からならそれはあまりにも不自然だった。


 人がいるのにそれを感じさせない……。

 何かから隠れるように生活しているのだ。


 その何かとは一体?


 そこから先は考えてもわからない。

 とりあえず少年に直接話を聞くしかないだろう。


 俺はシャルの方に向く。

 彼女も少年が入っていった小屋をジッと見守っていた。



「あの子を呼んでみようと思うけどいい?」



 念のためにシャルにも確認を取っておく。



「はい、大丈夫です」



 シャルは頷きながら小さな声で言ってくる。


 それだけ確認した後、俺は扉の前に立ちゆっくりとその扉をノックする。


 何も音のない森の中にそのノックが響き渡る。


 しかし、中からは物音一つしなかった。


「あれっ?」


 間違いなく少年は中に入って言ったはずなのにどう言うことだろう?

 もしかして、少年の身になにか異変が!?


 鑑定した時には何も出ていなかったが、その後になにか起こったのかも……。

 そう思うと居ても立っても居られず、ドアノブに手をかけ、ゆっくりと開けようとする。


 その瞬間にシャルが俺の体を押し倒すように飛びついてきた。


「ハクさん、危ないっ!!」


 そして、今まで俺がいたところに真っ黒に光る魔力の球がドアを突き破り通り過ぎていた。

中々更新できずに申し訳ありません

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