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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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操魔の魔族

 ニャー一人でも押していたのにそこからシャルとニコルが加わったのだ。

 攻撃は一方的なものとなり魔族の少年はついには膝をついて息を荒げていた。



「はぁ……はぁ……くくくっ、このまま俺を倒してもいいのか?」



 魔族の少年は意味深に口を吊り上げて笑っていた。


 一体どういうことだ?



「ニャー、シャル、ニコル、一旦攻撃をやめてくれ!」



 もしかしてさっき不安になった正体がこれかもとニャーたちの攻撃を止めるように言う。



「ふふふっ、それでいいん……ぐはっ」



 少年が笑みを浮かべているとその途中で突然血を吐く。

 特に誰も攻撃はしていない……はずだけどどうして?



『レイナルド・ドルミリン、レベル14』

【操魔】

【鞭術、レベル3】

【変装術、レベル3】

【ダンジョン創造、レベル1】

【毒状態】



 あっ、毒になっていたのか……。

 って、ちょっと待って! このまま倒してしまうとどうなるんだ!?


 もがき苦しむ魔族の少年。そして、そのまま息絶えていた。


 少年の体が光の粒に消えていく……。

 そのあとに残されたのは大きく青々とした魔石だけだった。





 倒してしまったのは仕方ないと俺は何が起きても大丈夫なように鑑定画面を見続けていた。

 しかし、ダンジョンの方には異常がない。


 ……も、もしかして人の方か!?


 俺は慌ててミーナを鑑定する。



【白色冒険者証、レベル8】

【風魔法、レベル3(宝玉)】

【強化魔法、レベル6】

【妨害魔法、レベル6】

【杖術、レベル3】



 操魔の虜スキルがなくなっている……。


 もしかして、あの魔族……俺が鑑定スキルを持っていることを知っていて、それで騙してきたのかもしれない。


 しばらく待っているとミーナと一緒に子供達も目を覚まし始める。



「うーん、……あれっ、ハク? どうしたの?」



 目を覚ましたミーナはここに俺たちが入る理由がわからずに首を傾げ不思議そうにしていた。





 それから俺たちは子供達を連れてこのダンジョンを抜けていく。


 ただ、子供達も一緒ということで思ったより進行速度が上がらず、また、ダンジョン内には魔物もいるために非常にゆっくりとした速度だった。


 それでも時間をかけてなんとかダンジョンを脱出することができた。


 子供たちを連れてダンジョンを出ると外ではたくさんの人が歓声をあげる。



「ご無事でしたか!?」

「えぇ、あとこのダンジョンの主の魔族は倒しましたので、もう安心だと思います」



 冒険者組合のお姉さんが心配そうに聞いてきたのでそう伝えておく。



「あっ、まだ魔物はいますのでその対策だけお願いしますね」



 それだけ言うとお姉さんに子供達を任せて俺たちは家へと帰って行った。

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