表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
119/152

孤児院のダンジョン、地下一階

 扉を開くと即階段があった。普通の建物にあるような階段——ただ、それが地下へと伸びている。


 先に進むごとに建物内は暗くなっていく。

 階段の壁には一定間隔でロウソクのようなものが掲げられていたが、それでは十分な明かりは取れていない。

 それがこのダンジョンの不気味さをさらに醸し出していた。



「うぅ……、何だか薄暗いわね……」



 俺に隠れるようにしながら言うミーナ。いつもの強気な態度とは違い、オドオドとしている。

 もしかして——。



「ミーナ、もしかして怖いのか?」



 図星を突かれたミーナは顔を赤くして、腕を組み、ツンケンしながら言う。



「わ、わ、私が、い、い、いくらお化けが出そうな不気味な場所だからって、こ、こ、怖がるはずないでしょ!」



 口では強がりながら言ってるが、声が震えてるし、それ以上に足がガクガク震えている。

 目もまっすぐ俺を捉えているものの涙が浮かび始めていた。



「……」



 俺は何も言わずに優しい目でミーナを見ると軽く肩を叩きダンジョンの奥へと進んでいく。



「ちょ、ちょっと待ってよ! な、何か言いなさいよ! ねぇ、ねぇってば……」



 口では文句を言いながらも俺に遅れまいと早足ですぐ後ろについてくるミーナ。


 それとは逆に真っ先に怖がりそうなシャルは意外と平気そうに一人で歩いている。



「何だか孤児院での生活を思い出しますね。夜の廊下とかこんな感じでした」



 確かに孤児院から出来たダンジョンだけあって、雰囲気がとてもよく似ている。

 その生活感のリアルさがミーナが怯えてる理由でもあるんだろうけど。


 そして、長かった階段が終わり、ようやく地下一階へとたどり着いた。


 しかし、ここにきてなおこのダンジョンは異様さを醸し出している。


 ダンジョン内の通路がまるで孤児院の廊下にしか見えない。

 壁には普通に窓やドアがついている。


 ただ、目に見える範囲には魔物の姿はなかった、



「何だかダンジョンに見えないね」



 前を進むニコルがポツリと呟く。

 確かに気が緩みそうになる。でもそんな時にほど襲われるもんだ。俺は気を引き締めて常に【詳細鑑定】であたりを調べ続ける。


 すると、突然何もないところに魔物の表示が現れる。



『メイジゴースト、レベル1』

【姿が見えない】

【風魔法、レベル0】

【妨害魔法、レベル0】



 とても弱い魔物だ。

 ただ、姿が見えないのは厄介だ。俺以外、その存在にすら気づいていないようだ。


 すると突然あたりに風が吹き始める……。


 もしかしてメイジゴーストの攻撃だろうか?



「ニコル、ニャー、少し止まれ!」



 俺は先を行くニャーやニコルに制止を促す。



「魔物がいるな……」



 そう呟き、姿が見えない魔物がいることを知らせておく。

咳だけなのですが、風邪が少し長引いてます。今しばらく一日一度の更新とさせていただきます。


3万ポイント突破しました!

ここまで来られたのもひとえに皆様のおかげです。ありがとうございます。

作品が少しでも面白いと感じていただけたのなら、評価、ブクマをつけていただけると、とても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ