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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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見張り

 孤児院に何があったのか調べるために次の日から俺たちは見張りに付いた。

 さすがに堂々と見張るのは気が引けたのでさりげなく……道を歩いている風を装ったり、たまに孤児院の子らにお菓子を配って情報を仕入れたり、ニャーが孤児院に侵入しては子どもたちと遊んでかえってきた……なんてこともあった。


 【詳細鑑定】で見る限り【操魔の虜】というスキルは付いているが、それ以外に変わったところは見受けられない。


 俺の考えすぎかな……。


 少し警戒心を緩めそうになったとき、【操魔の虜】のスキルを持っていない少年が一人いることに気がついた。



【剣術、レベル——】

【炎魔法、レベル——】

【鑑定偽装】

【————】



 まさかこんなスキルがあるなんて……。

 【鑑定偽装】、これのせいでどうやらレベルやユニークスキルは読み取れなくなっているようだ。


 なぜか【鑑定偽装】だけは見れるけど、これも仕様なのかな?


 もしかして、一番下の見えなくなっている部分……これが【操魔の虜】なのだろうか?

 文字数も合ってるし……。


 それにしても【鑑定偽装】か……。あるとは思っていたけど、まさか本当にあるとはな。


 まぁユニークっぽいし、あまり持ってる人がいなそうなので一安心だな。

 あとは敵が持っていた場合にどう対処するか……。

 持ってるスキルだけはわかるしまだ対抗できるか。


 そんなことを考えながら、その少年から目が離せなかった。




「特に何もありませんでしたね」



 数日見ていたが、特に変わったことは何もなかった。

 シャルも前の感覚は気のせいだったのかと思い始めているようだ。



「うーん、気のせいならそれでいいか。大体の子の鑑定も終わったし、さりげなくその子らに教えたら別の町に——」



 すると突然外から爆発音のようなものが聞こえる。



「な、なんだ!?」

「見てくるにゃ」



 すぐに外へ駈け出すニャー。

 それに続くように俺たちも外に出る。するとちょうど孤児院のある方角から煙が上がっていた。



「シャル、あっちって」

「えぇ、孤児院の方向です……」



 シャルの顔が少し青くなっている。

 まさか……な。孤児院なんて狙っても仕方ない……いや、あのスキル……。もしかして魔族が!?



「と、とにかく何があるかわからないから、武器持ってきて! 行ってみよう」

「そ、それならここに準備できてるよ」



 必要になると思ったのだろうか、ニコルが俺たちの武器を持ってきてくれていた。



「それじゃあ、とにかく様子だけ見に行こう。何もなかったらそれでいいし、俺たちの手に負えそうになかったら人を呼ぶ……それでいいな!」

「はい、ありがとうございます」



 シャルが嬉しそうに頷く。

 そして、不安になりつつも俺たちは孤児院の方へと駆け寄っていく。

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