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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第十章、孤児院改善
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聖剣の修復

 冒険者証を受け取ってシャルたちが目覚めたあと、俺たちは武器屋の方へと向かった。


 シャルに武器を買ってやると言ったからな。

 一体どんな武器を選ぶのか……


 シャルはまっすぐに杖の方へと向かっていった。

 やっぱり使い慣れた武器がいいのだろうな。


 一方の俺はまっすぐ武器屋のおじさんの方へと向かう。

 そして、折れた聖剣を取り出す。



「すみません、この剣なんですけど――」

「こ、これは……」



 出した途端におじさんは剣を手に取る。そして、じっくりとそれを見ていく。



「こ、これを一体どこで?」

「え、だ、ダンジョンの宝箱に入っていました」

「そうか、たしかに宝物と言うにはふさわしい代物だ」



 やはり武器屋というだけあって見たらわかるものなんだな。

 ただ、問題は――。



「これ、直せますか?」

「うーん、やってみないことにはなんとも言えないな。もし失敗すると使い物にならなくなる可能性もあるぞ」



 どうせ宝箱から拾ったものだし、失敗したらしたでそれでもいいかな。



「はい、お願いします」



 成功したら俺自身強くなれることだし、俺は二つ返事で了承した。


 一方のシャルはといえば、色々迷っていたようだが、結局以前と同じ杖を選んでいた。




 この町のダンジョンは踏破してしまった……ということで次はどこに行くか迷っていた。


 今すぐに別のダンジョンに向かいたいという気持ちもあるが、せめて今修繕を頼んでいる聖剣——これが直るか直らないか……それがわかるまでは留まっておきたかった。


 一応しばらくは休みと言うことで俺はシャルと二人で以前シャルがいたという孤児院へやってきていた。


 あまり良い待遇ではなかったと言っていたが、それでも子どもの時から育った場所だ。

 シャルは懐かしむような顔つきで木造の古くなっている建物を眺めていた。

 すると、建物の中から、男女数人の子どもたちが楽しそうに庭へ向かって走って行った。



「あの子たちもゆくゆくは冒険者になるんですよね……」



 おそらく自分の境遇に置き換えているのだろう。

 ただ、だからといって一介の冒険者にすぎない俺になにか出来るとは思えない。


 いや、少しくらいなら出来ることもあるか……。


 せめて冒険者になったときの手助けに今のうちに【詳細鑑定】をしておいてあげることは出来るだろう。


 そう思い、俺はシャルに相談してみる。



「うーん、確かにそれは魅力的ですけど、でも、この孤児院だけ無料でするなんて贔屓しているととられかねないですよね」



 シャルとしてはして欲しそうではいたが、それでも贔屓はよくないと苦虫を噛み潰したような顔つきをする。

 ただ、それなら格安で引き受けるならと聞いてみるとシャルもそれならと頷いてくれる。

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