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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第九章 クルードフダンジョン、走破
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宝箱の中身

 中身に期待をしつつ宝箱を開く。

 しかし、中に入っていたのは折れた剣や使い古された剣……といったおおよそ使えるようなものには見えない代物ばかりだった。



「まぁ、このダンジョンは有名だからね。すでに宝は何度も取られて置いておくものがこんなものしかなくなったのね」

「なんか嫌がらせにしか見えないな」

「そんなことないわよ。初期に攻略することができたらちゃんとしたお宝が入っているのよ。しばらくは誰が入れているのかわからないけど、お宝が入ってるみたいなのよ。ただ、何度も取られると自然と宝のグレードが落ちていって、気がつくとこんな風にゴミ入れになるのよ」



 つまり、出来たばかりのダンジョンだと良いものが入ってる?

 少し魔物は強いが、あの前に入っていたダンジョンとかならお宝が?


 いやいや、さすがにまだ早いよな。

 いくら強くなってここ、クルードフダンジョンの宝箱までたどり着いたからといっても、よそもたどり着けるとは限らない。


 まだ無理をする時期でもない。

 もう少し経験を積んで確実に行けるとわかってから、また狙おう。

 あのダンジョンは急に魔物が強くなったりとか、おかしなことが起こったし、ワープポイントがないのも変だ。


 とりあえず今は何か使えるものがないかを宝箱を漁り探していく。



『鋼の剣』

【刃が折れている】



『鉄の剣』

【先が欠けている】



『木の杖』

【真ん中で折れている】



 ろくに使えるものが残っていない。

 というより、これってダンジョンに捨てられた武器たちなのではないだろうか?


 そんなことを思いながら更に調べていく。



『鉄の剣』

【錆びている】



『鉄の槍』

【刃の部分しか残されていない】



『折れた聖剣』

【折れている】



『鋼の盾』

【穴が空いている】



『毒牙のナイフ』

【刃がない】



 うん、見事に使えないものばかりだ。

 俺は黙って宝箱の中にそれらを戻し、閉めようとしたが偶々その時に一番上に来ていた剣——さっき調べた時もあったが、使い道がないことはわかっているが、聖剣という名前には惹かれてしまう。


 結局、その聖剣だけ貰っていくことにした。

 一応皆にも欲しいものがあるか聞いてみたが、中身を見た瞬間に苦笑いに変わっていた。


 特にシャルはここに来るまでに杖を失っている。

 なんとか使えるものはと最後まで探していたが、結局はしょんぼりと宝箱を閉めていた。


 使えるものがなかったんだな……。俺から見ても使えそうなものはなかったからな。


 ただ、シャルは視線を落とし、それを見てから言葉少なになってしまった。


 そんなシャルを見た俺は町に戻ったら新しい杖を買ってあげようと決意するのだった。

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