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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第九章 クルードフダンジョン、走破
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vs.カラードラゴン

 咆哮をあげたドラゴンは痛みで不安定になりながらも大きな羽を広げ空に飛び上がった。



「本当に飛ぶんだな……」



 何も出来ない俺はただ感心の声を上げる。



「そんなことも言っていられないですよ。私も魔法を――」

「いや、シャルはまだ準備を……いや、回復魔法を準備してくれるか? 少しマズイかもしれない」

「えっ!?」



 困惑の顔を見せるシャル。しかし、俺の視線はドラゴンに向けたままだった。


 ドラゴンは口を上に向け、大きく息を吸い込んだ。

 この体勢は……スキルのことも考えると火を吐いてくるよな?


 距離を開けている俺たちは大丈夫だろうが、近づいているニャーたちは危ないな。



「ニャー、火の息がくるぞ!」



 俺は注意を促すために大声を上げる。すると、ニャーが返してくる。



「わかったにゃ」



 それだけ言うとニャーはミーナを抱きかかえ、一気にドラゴンから距離を開ける。

 しかし、ニコルの方は依然としてドラゴン目掛けてボールを投げつけていた。

 当たる度に呻き声を上げるドラゴン。


 やはりスキルがないせいか、中々思うところに飛ばせられないようだ。

 そして、ドラゴンはついに火の息を吐いてしまった。

 それがニコルを覆う。


 火に囲まれてしまったニコル。でも、火の息が止んだとき、服は焦げて所々破れていたもののニコル自身は全然平気そうだ。



「け、けほっ……。もう、熱いなぁ」



 いやいや、普通はその程度で済まないんだけど……。

 まぁこれもニコルの自己強化魔法のおかげだろう。

 魔力過剰回復のおかげで何度でも使えるし……。まさか火も普通に耐えるとは思わなかったけど……。



「もう、いい加減に当たれ!」



 再びニコルはボールを投げる。それはついに翼を捉える。

 翼の部分はそれほど堅くないのか、ボールは貫通していき、翼には穴が空く。



「グヴィアァァァァァ……」



 ドラゴンは大きな叫び声を上げて地面に落ちてくる。

 そして、それがチャンスだと言わんばかりにニャーも斬りかかる……が、ニャーの攻撃はドラゴンのうろこを突破出来ないようだ。


 全然傷が付かないせいで毒にさせることも出来ない。

 その結果、ニャーの機嫌が次第に悪くなっていく。



「なんで効かないにゃ!?」



 うーん、この階層くらいになるとニャーの武器が効きにくくなってきたな。もっと切れ味の良い――何でも切れるような武器があればそれを買ったほうが良いだろうか?

 お金は沢山あるわけだし……。


 そんなことを考えているとドラゴンの色が突然赤から濃い茶色に変わっていった。

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