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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第九章 クルードフダンジョン、走破
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地下二十階層

 その場でうずくまってしまったマグラナイドさんは放置し、俺たちは更に下の階層へと進んでいく。

 もしかしたら俺たちの後をつけてくるかと思ったが、そういった様子はなかった。


 そして下の階層を進んで行ったが、エビナフダンジョンに魔族が入って強化された時よりはるかに魔物が弱かったから、苦戦することもなく、気がついたときには地下二十階層までたどり着いていた。



「やけに魔物が弱かったわね」



 ミーナが期待外れといった感じで言う。

 まぁでも、一般的なダンジョンだとこんなものなんだよな。


 前に魔族と戦ってから俺たちは大分成長したようだ。

 俺以外は……。


 いくら戦闘を繰り返しても俺には有効なスキルは発現することはなかった。

 い、いや……、いつか出るはずだ。


 はやる気持ちを抑え、二十階層の方に意識を向ける。


 ここも広い空間になっており、ここのボスらしき魔物が一体だけいた。

 それは良いのだが、待ち構えている魔物が問題だった。



「ドラゴン……だよな?」

「そうみえるわね」



 待ち構えていたのは小柄ながらも立派な羽を持った蜥蜴のような魔物だった。



『カラードラゴン、レベル17』

【変色】

【火炎、レベル5】

【炎が効かない】

【水に少し弱い、レベル1】



 やはりドラゴンで間違いないようだった。深紅の体をしているところを見ると【詳細鑑定】の結果の中に【炎が効かない】と出ているのがよく分かる。

 いかにも火に強そうだもんな。


 となると今回はシャルの出番はないかもしれないな。



「ハクさん、私は魔法の準備をしたら良いですか?」



 いつも通りのことなのでシャルの方から確認してくる。

 ただ、今回は効かないわけだし無駄なことをする必要もないな。

 俺はシャルに対して首を横に振る。



「今回は少し様子を見てくれるか?」

「あっ、わかりました」



 あとはどうするか……。

 空中から攻撃されたら対処に困るからな。羽を狙うなら……。



「ニコル、まずはあの羽を狙ってくれるか?」

「うん、わかったよ」

「ニャーとミーナはニコルに攻撃がいかないようにフォローしてくれ」

「わかったにゃ」

「まかせて」



 やる気を出したニコルがまずドラゴンへと向けてボールを投げつける。

 羽を狙って投げたそれは少し逸れてドラゴンの体に当たる。


 まだ俺たちに気付いていなかったドラゴンは呻き声を上げる。

 普通の魔物ならあっさり貫通して倒せるニコルのボールを受け止めるとは……。


 やっぱりドラゴンは違うんだな。

 苦しそうにしながらも俺たちを睨み付け、ドラゴンは咆哮を上げる。


 さて、これからが本番だな。

 俺はちょっとした隙も逃さないように【詳細鑑定】に意識を向けつつドラゴンの攻撃にも注意する。

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