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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第九章 クルードフダンジョン、走破
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ニコルの武器

 何も合うものがないと少しションボリするニコル。



「なんかこう、投げて使うようなものはないのかな?」



 おそらく石を想像しているのだろう。そんなものはない……。と思ったのだが、武器屋のおじさんがある武器を持ってきてくれる。

 いや、武器? これを武器というのもおこがましいだろう?


 武器屋のおじさんが持ってきたのは銀色の大きなボールだった。


 試しに俺が持とうとしたが、重くて持ち上がらなかった。

 しかし、ニコルが持ってみるとあっさりと持ち上がる。



「少し重いですね……」



 片手で持っているところを見ると本当に少しだけなんだろうな。

 実際の重さが俺では持ち上がらないほどだったことを見ると苦笑いしか浮かばない。



「あの……このボールは?」

「あぁ、白銀の鉄球だ。面白いと思って買い取ったはいいが、使えるものがいない曰く付きのものでな。一度投げても自分の所に戻ってきてくれるもの……なのだが、手に持っていると常時魔力を消費する使えない武器なんだ。ただ、嬢ちゃんが望んでいるものに一番近いのがこれなんだが……」



 さすがに武器屋のおじさんも出したはいいが、これはないと思ったのだろう。すぐに引っ込めようとする。

 しかし、ニコルはその武器をじっと見て、しばらくすると嬉しそうに顔を上げる。



「うん、これにするよ!」



 その言葉に武器屋のおじさんは驚き、声を上げる。



「ほ、本当にこれでいいのか? 常時魔力を消費するんだぞ!」

「うん、その方が助かるもんね」



 そっか……。

 ニコルの魔力過剰供給を考えると、ちょっとでも多く魔力を使用してくれるものの方が良いんだな。


 本当に良いのかと武器屋のおじさんが俺を見てくるが、ニコルがそれでいいと決めたんだ。俺が何か言うこともないだろうと思い、一度頷いた。




 このボールは売れ残りで呪いのようなものが付着していることもあって、値段がすごく安かった。

 これから服のほうも買いにいこうと思ったのだが、これなら同じように魔力を常に使い続けるようなものがあれば――。


 しかし、そうもうまくはいかなかった。

 魔力を使い続けるような服はあったが、どれもやや小柄なニコルのサイズには合わず、結局服のほうは普通のものを選ぶことになった。


 両手一杯に荷物を抱えているニコルは嬉しそうにしてくれていたので、それもいいかと俺は苦笑いでそれを眺めていた。


 そして、道具屋へとやってくる。

 ここでの用事はもちろん氷結草の購入だ。

 この町の側にあるダンジョンの十三階層を突破するには必要不可欠なものだが、高かったらどうしよう――。

 そんな不安もあったのだが、実際に買いに来てみるとそれほど高いものでもなかった。

 というより、鑑定所で稼いだお金があるおかげでよほどのもの以外はそれほど高く感じなくなった。


 ただ、お金はいつ何時必要になるかわからないから大事に使わないとな。

3万ポイントまであと700。

越えてくれるのではとワクワクしながら見ています。ここまで来られたのもひとえに皆様のおかげです。ありがとうございます。

作品が少しでも面白いと感じていただけたのなら、評価、ブクマをつけていただけると、とても嬉しいです。

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