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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第九章 クルードフダンジョン、走破
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帰還

 皆に挨拶を終えた俺たちは村を出てメルカリの町を目指した。

 村の中ではどこに隠れていたのか、わからなかったウルちゃんだが、町へと帰るとなったら急にやる気を出して、シャルのカバンから出てきていた。


 そして、行き以上のペースで走ってくれたので、あっという間に俺たちはメルカリの町に戻ってきた。


 ようやく自分の家へと戻ってこられた……。

 ただ、ほとんど住んでいないせいか知らない場所に来たみたいだった。




 さすがに帰ってきてすぐにダンジョンに入る……何てことはせず、しばらく休養をとることにした。



「じゃ、じゃあ私はこの家の掃除をして……おいていいですか?」



 目を輝かせながら聞いてくるシャル。

 しかし、途中で我に返ったようで慌てて敬語を使い始めモゾモゾとする。


 別に掃除をするくらいなら誰も怒らないのに……。



「あぁ、いいぞ。というかたのんでもいいのか?」

「はい、私、掃除好きですから」



 グッと両手を握りしめ、嬉しそうに言うシャル。

 少し悪い気がしたが、本人がしたいなら任せてもいいだろう。



「それじゃあ頼む」

「私は一度実家に戻るわ」

「そうだな。その方がいいだろう」



 ミーナの実家はこの町にあるわけだし、それなのに一度も帰らないのはおかしいもんな。


 となるとあとは俺とニャーとニコルか……。



「ニャーは何かしたいことがあるか?」

「ニャーはご主人様について行くにゃ」



 まぁいつも通りか。途中で食べ物を食べようという魂胆だろう。

 あとは——。



「ニコルは俺と一緒に行こうか。ダンジョンに入るための装備を整えないとな」

「えっ、いいの?」



 ニコルが驚き、聞き返してくる。



「もちろんだ。ダンジョンに入るならそれなりの装備を……」



 普通の人なら必要だろうが、果たしてそれがニコルに必要だろうか?

 下手に装備をつけるより生身で殴った方が強い気も——。


 ニコルを見るとすごく嬉しそうな顔をしているので、とにかく一度見に行っていいものがあったら買うでいいか。




 俺たち三人は通い慣れた武器屋にやってきた。

 店員のおじさんは何も言ってこないので好きに選ぶことができる。


 まずニコルは側にあった剣を手に取り、降ってみる。

 ただ、数回振ってみて何かが違うと思ったのか、すぐに元あった場所へと戻してしまう。


 その次に槍を持ってみるが、やはり何か違うのかすぐに戻してしまった。


 それから斧や短剣、鞭や弓といったものを触っていったが、どれもすぐに戻してしまう。


 一番しっくりときたのが盾らしいが、まぁ武器じゃないからという理由でそれも元の場所に戻してしまった。



「なんかこう……石のようなものがあったらいいのに」



 そんなことをつぶやくニコル。どうやらここの武器は石に負けてしまったようだ。

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