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アドレナリン。

市民ホール。ライブの日。


会場には幼稚園のママ友と、恭ちゃんのお友達も来てくれた。

スタンディングのライブハウスだと園児は、無理だけど、座席のあるホールだから恭ちゃんのお友達にも、楽しんでもらえたらいいな。


Avid crown、そして、RSKと続く。

「恭ちゃんのパパー」

恭ちゃんの幼稚園のお友達も喜んでいた。


こうして 自分の子供にライブをみせることをあの頃のリョウタは、想像してただろうか。


私も想像してなかった。



「オレの息子の誕生日のために作った曲です。駿くんにも、マネジャーの真吾くんに子供が産まれました。カンジくんも、もうすぐ子供が産まれます。オレは、どうしようもないパパだけど、オレ達の音楽聴いてくれて息子が、感じてくれたらいいけど」


リョウタは、そうして、恭ちゃんの誕生日に作った曲『今日』を歌った。



ライブは無事終わった。

沢山の人が来てくれた。

年齢層も幅広く幼稚園児から、お年寄りまで。

兄家族も来てくれた。義姉が初めて、リョウタのライブを見てくれた。


「京子、こんなに大勢きてくれるならチケット代、もう少しあげても良かったんじゃないか」

せこい兄は、私に言った。


インディーズだし、町の人達に感謝の気持ちもあるので、この町で、ライブをするときはチケット代は高くしたくない。



打ち上げは、居酒屋の座敷で両親も恭ちゃんも呼んで盛大にやった。


「パパ、カッコ良かったー」

恭ちゃんが、リョウタに言った。

「恭、ありがと。」

そう言って、リョウタは恭ちゃんを抱き締めた。


「オレも、早く息子にライブ見てもらいたい」

駿くんが、リョウタと恭ちゃんを見て、言った。

「将来、二世で、恭ちゃんと駿くんの息子くんと、オレの産まれてくる息子がバンド組んでくれたらいいな」

カンジくんが言った。


夢みたいな話だが、恭ちゃんにも駿くんとカンジくんの息子さんにも音楽を好きになってもらいたい。



打ち上げは続いてたが私と両親は、恭ちゃんが眠そうなので先に帰ってきた。


「ママー。パパが歌ってたボクの歌を歌って」

恭ちゃんが、ベットに入った時に言った。


恭ちゃんは、リョウタが恭ちゃんのために作った曲を気に入ってくれたみたいだ。


私は恭ちゃんに、歌ってあげた。



私は思った。

私も、恭ちゃんのために曲を作りたい。



「たらいまー」

恭ちゃんが眠ってから、リョウタが打ち上げから帰ってきた。

「あー。今夜は、アドレナリンがでて、眠れそうもない。まだ興奮が覚めない」

リョウタはライブの余韻に浸っていた。


「京子、こっち来いよ」

私は、リョウタのいるソファに行った。


「京子、恭を産んでくれて、ありがとう。自分の息子に、ライブを喜んでもらえて嬉しかった。都会にいた時、ステージから京子来てくれてるかなと探してた。けど今日は、恭も、ちゃんと見てくれてるかなと探してた」

私を抱き寄せて、リョウタは言った。


「オレ、一人じゃないんだな」


あのときオレは心のなかで、愛してるを何回も言った。

でも届かなかった。

でも、やっと届いたんだな。



リョウタは私にキスをした。


くちびるから、リョウタのアドレナリンを私にも分けてくれた。





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