コネ。
駿くんと真吾くんは、パパになった。
なんと彩ちゃんと紀香ちゃんは、同じ日に出産した。しかも、同じ病院である。
私とリョウタと恭ちゃんは、赤ちゃんを見に行った。
「可愛いー」
恭ちゃんは、赤ちゃんを見て、喜んでいた。
恭ちゃん、弟か、妹が欲しくなるのだろうか。
帰り道、恭ちゃんに、聞いた。
「恭ちゃんも赤ちゃんほしい?」
「ううん。いらない。赤ちゃん、産まれたら、赤ちゃん可愛いから、ママがボクより、赤ちゃんを好きになってしまうもん」
恭ちゃんは、心配してた。
「大丈夫だよ。ママは、恭ちゃんが一番だから」
ごめんね。妹か弟を産んであげれなくて。
『あのレコード会社、話を聞いたら、アイドルバンドで、売り出したいみたいで、曲は、自作じゃなくて、売れる曲をかける作曲家に依頼するみたいだ。だから、オレらのバンドが気に入った訳でもないから断ったよ』
ルキアくんから、LINEがきた。
ルキアくん可愛いから、見た目で、決めたのだろう。
バンドの音楽性を無視して、売り出すのは珍しくない。
『でも、全く違う音楽性で売り出されるなら、迷うよね。売れたら、自分達の音楽ができるという場合もあるけど。それは、いつになるか分からないし約束されたことじゃないしね。』
私は、返信した。
「さっきから、誰とメールしてんだよ」
リョウタが、私がメールしてたのが気になったらしい。
「ルキアくんと、バンドの話」
「ルキアくん?!見せろよ。」
リョウタが、ルキアくんとのやりとりを見たいらしく、リョウタに見せた。
「ふーん。いちいち京子に、相談してるんだ」
リョウタは、気に入らないらしい。
私とルキアくん、いったい何歳、年が離れてると思ってるのよ。17歳差よ。やばいでしょう。弟というより、息子みたいな年齢差だよ。気にするリョウタが、へん。
確かに、可愛いから、つい話を聞いてあげたくなるけど。
tracks Japanの江口さんから、連絡があった。
アーティスト部門担当の後輩を連れていきたいと。
話を聞くと、私に東京に来てもらうのは、申し訳ないので、相談なので、江口さん達が出向くというのである。
水曜日に私の家に来てもらった。
客間で、話を聞いた。
江口さんの後輩で、アーティスト部門の秋元さん。36歳。
「先生、良いバンドいませんか」
バンドを売り出したいみたいである。
「20年前、先生に紹介されたspeck crewは、今も安定したバンドで活動続けてます。ですから、秋元にメジャーになれる実力を持ってるバンドを紹介してもらえないですか」
江口さんは、言った。
タイアップつけて一曲だけ売れるアーティストはいるが、長続きしない。ライブに定評があり息の長いバンドをメジャーテビューさせたいということらしい。
「東京のバンドで、いることはいますが、彼らの音楽を壊したくないので、インディーズのままがいいのか、正直わかりません。」
私は言った。
「じゃあ、そのバンドのライブを見てからにします。それで、彼らの音楽のままで契約するか決めます」
東京で、Terezishonのワンマンライブが行われた。
根強いルキアファンが沢山いて、ライブは超満員だった。
ライブ後。
「私、tracks Japanの秋元と申します。今日、君たちのライブ見させてもらいました。メジャーになりませんか」
ルキアくんと、メンバーは、大手のtracks Japanからの話で、驚いた。
「なんで、オレらに?」
ルキアくんは聞いた。
「先生が、お薦めのバンドなのでライブ見にきました。君たちの音楽でメジャーにします」
秋元さんは言った。
「先生って?」
「京子先生です」
あー。そこは、言わないで欲しい。




