バザー②
私は夜に恭ちゃんが寝てから、バザーにだすものを作っていた。シューズ袋10個、巾着袋10個、ポケットティシュ入れ10個など。あとビーズのアクセも考えたが、どーも、ああいう細かい手作りは私には向かない。上手くいかないとイラついて、発狂してしまいそうだ。
店に幼稚園のバザーの宣伝のポスターを貼った。
町の人は来てくれるだろうか。
バザーに出品するものも、沢山集まればいいが。私の手作りのもので売れる自信もない。
「京子、バザーに、これだして」
リョウタは、RSKのロゴが入った子供用のTシャツを持ってきた。カンジくんが作ってくれたそうだ。
「すごーい。カッコいいね」
カンジくんはデザイン系の専門学校でてるから、こういったものは得意らしい。
バザーは日曜日なので、土曜日は、お店をランチタイムを休みにして、幼稚園で実行委員が集まってバザーの準備をした。
「わー。可愛いー」
聡くんのママはビーズのアクセを沢山作ってきた。
「私、ライブ行くとき、お金ないから、洋服とかアクセとか自分で作ってたんです」
「ニット帽すてきー」
道郎くんのママは、手編みのニット帽を作ってきた。
「私も、自分で帽子を編んで、ライブ行ってました」
パンクを好きな道郎くんのママは、パンクぽっいセーターも編んでた感じだな。
「オレは母親が趣味でパッチワークやってるんで、持ってきました」
明奈ちゃんのパパは、パッチワークしたバッグや、ランチョンマットを持ってきた。
「すごい綺麗。お母さん、ほとんどプロですよ」
太郎くんのママは、シュシュを沢山作ってきた。
「可愛いー。」
みんなレベルが高い。
やばい。私の手作りのレベルの低さが恥ずかしいー。
「めちゃ可愛いー。この柴犬のアップリケ可愛いですよ。シリーズにしたんですね」
そうなのだ。シューズ袋に巾着袋に、ティシュ入れに、柴犬のアップリケをしたのである。
「あっー。RSKのTシャツ。私も欲しいー」
聡くんのママと道郎くんのママが、喜んでいた。
リョウタと明奈ちゃんのパパには、ゲームコーナー担当になってもらった。
あと模擬店は、ホットドックと、わたあめと、ドリンクにした。
クッキーは店に帰ってから、夜に店で100個作って、ラッピングする。花江と潤くんが手伝ってもらうことにする。
私達が前日の準備を終わりそうなときに、専業主婦の梨佳ちゃんのママが子供三人を連れてやってきた。
「はい。これ出品してください。私、忙しいんで、じゃあ。帰ります」
梨佳ちゃんのママは、紙袋を二つをドサッと置いて行ってしまった。
紙袋には、沢山の手作りの髪飾りや刺繍されたハンカチが入っていた。
梨佳ちゃんのママ。なんだかんだ言って育児の合間をぬって、作っていたのだろう。
他にも未使用の子供服や、タオルなども集まった。
これでなんとかバザー品は、集まったし、明日は来園してくれて買ってくれるかだ。でも子供達が、楽しんでもらえればいいかな。
日曜日。バザーの日。
思ったより、沢山の人が来てくれた。
私はホットドック作りに大忙しだった。
恭ちゃんと明奈ちゃんは、クッキーを10円で売っていた。
リョウタの輪投げのゲームも子供達に、大人気だった。
「京子さん、リョウタくん」
真吾くん夫婦と、駿くん夫婦と、カンジくん夫婦も来てくれた。
「カンジくん。RSKのTシャツ人気で、すぐ売れちゃったよ」
私はカンジくんに言った。
「じゃあ。もっと作ればよかったですね」
花江家族と、潤くんも友達と来てくれた。
無事にバザーは、3時に終わった。
バザー品も全部売れた。
実行委員での打ち上げを、うちの店でやった。
「笹原さーん。もう休んで、一緒に始めましょうよ」
とりあえず、私は何種類かのパスタとピザを作った。
「じゃあ。実行委員長、乾杯の音頭をお願いします。」
私は、席にいき挨拶をした。
「みなさん、本日はお疲れさまでした。乾杯ー」
みんなで、乾杯し労った。
「恭ちゃんのママが作ったピザ、美味しいー」
子供達が、ピザを食べて喜んでいた。
「バザーなんか、やる前は面倒くさいと思ってましたが、やってみると、なかなか楽しいですね。子供達も喜んでたし」
太郎くんのママが言った。
「そうですよね。やっぱり、やってみなきゃ分からないですね」
「オレに、男親でバザーできるかと思ったけどリョウタさんもいたし、なかなか楽しめました」
明奈ちゃんのパパが言った。
「明奈も、楽しかったー」
明奈ちゃんが言った。
「ボクもー」
男の子達も言った。
子供も楽しめたのが一番である。
家に帰ってから、恭ちゃんが言った。
「今日、ママとずっと一緒だから嬉しかった」
仕事忙しいから、あんまり一緒にいてやれないことを私は反省した。
やっぱり幼稚園の行事に参加は、できるだけしよう。




