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不仲。

駿くんに、マサトから、電話あった。

「ライブん時、駿と、あまり話せなかったから、電話してみた」

駿くんは、憧れのマサトから電話が着て嬉しいみたいだった。

「マサトさん、ライブに来てくれて、ありがとうございました」

「RSK良かったよ。リョウタ・・京子を大切にしてるか?」

マサトは、駿くんに私達のことを聞き出した。

「はい。リョウタさん、めちゃくちゃ京子さんのこと好きですから、大切にしてますよ。」

「だったら、いいけど。リョウタ、京子より、かなり年下だから、京子を困らせてなきゃいいけどと思ってさ」

「大丈夫ですよ。京子さんは、包み込むような優しさがあるので、リョウタさんと仲良いですよ」

なんだか、マサト、駿くんに、そんなこと言って余計なお世話だ。

「京子、無理するところあるからさ。事務所もやって、店もやってじゃな。京子に、無理すんなと言っててくれよ」

「はい。わかりました」


なんだか、私のことを凄く知ってるようなマサトの言い方が気に入らない。



朝、駿くんが、野菜を配達に来た時に言った。

「昨日、マサトさんから、電話きて、京子さんのこと、心配してましたよ。あんまり無理するなって、言ってました」

駿くんは、マサトから、電話が着たのが、よほど嬉しかったのか、私に、言った。

「マサトが?別に心配されほどの付き合いないんだけど」

20年前の元カレに言われてもねー。

駿くんが、帰ったあと、リョウタが、私と駿くんの話を聞いていたのか、不機嫌そうにして、何か言いたそうだったが、花江が、出勤してきたからか、黙っていた。




休憩時間に、リョウタがコンビニ行った時に、花江が、言った。

「なんか、リョウタくん、機嫌悪くない?」

「んー。マサトの話が出たから、機嫌悪いんだと思う」

「speck crewのマサトさん?よっぽど、京子の元カレだっていうのが、気になるんだろうね。相手は、メジャーバンドのギターだしね。」

花江は、まかないを美味しそうに食べながら、言った。


「マサトさんも、40代にしては、カッコいいとは思うけど、私は、やっぱり、若いリョウタくんのほうがいいと思うから、マサトさんを気にしなくてもいいと思うんだけど。」

花江は若いイケメンの味方だからね。


でも、私も、マサトを気にしすぎるリョウタが、ちょっとわからない。

20年前の彼氏のことを言われても、比べようがない。

すでに、忘れさっている思い出だ。




恭ちゃんが、寝てから、リョウタが、とうとう言い出した。

「なんでマサトさんが、京子のこと心配するんだよ。京子は、オレの奥さんなんだぞ。それが、なんで、他の男に心配されなきゃいけないんだよ。まるで、オレが京子に無理させてるような言い方じゃねーの」

やっぱり、聞いてて、気にしたらしい。


「知らないわよ。ただ駿くんに、言っただけでしょう」

「駿くんも、駿くんだよ。マサトさんに言われたからって、わざわざ京子に言うなんてよー」

リョウタは、駿くんのことも、言い出した。

「リョウタ。駿くんは、マサトから電話きて、言われたから、私に伝えただけでしょう。駿くんは、悪くないでしょう」

「なんだよ。オレより、駿くんをかばうのかよ。あー。駿くんも、京子のこと、好きみたいだからなっ」


なんで、そうなるのよ。かなり、ひねくれてしまっている。


「なんで、マサトなんか、気にするのよ。」


リョウタは、機嫌わるくして、お風呂に行った。

はー。RSKの文化祭のライブ近いのに。仲間割れしたら、どうしよう。

ったく。マサトも余計なことを言ってくれたもんだ。



休みの日。リョウタは、RSKのバンドの練習に行った。

「リョウタさん、この曲すごいいいですよ。受験生は、勇気づけられますよ」

駿くんが、リョウタが作ってきた曲を聴いて言った。

「そう」

リョウタは、駿くんが、誉めてるのに、素っ気なかった。

「じゃあ。おつかれー」

リョウタは、バンドの練習を終えると、すぐ帰って行った。



「なんか、リョウタさん、よそよそしくなかった?」

カンジくんが言った。

「たぶん、オレのせい。オレが、京子さんに、マサトさんからの伝言を言ったから」

駿くんは、カンジくんに、マサトから電話きたことを言った。

「それ。別に京子さんに言わなくても良かったんじゃないのか」

カンジくんが、駿くんが私に伝えたことを指摘した。

「オレ、マサトさんから電話きたこと、嬉しくて。つい、京子さんに言ってしまった」


「駿、うかつだったな。リョウタさん、それ聞いて、いい気はしないよ。元カレのマサトさんが、京子さんを心配するなんて。それを駿が伝えたのも、いい気しないよ。だってさ。リョウタさんは、今のバンドのメンバーだし、駿と仲良いし。そんな駿が、マサトさんが言ってたことを京子さんに伝えたのも、複雑だったんじゃないかな。」

カンジくんは、ハッキリ、駿くんに言った。


「オレ、そんなつもりなかったけど。尊敬するマサトさんに頼まれたから言っただけだったけど、もう少し考えるんだった。リョウタさんに、悪いことした」



私は、恭ちゃんと買い物に行ってきた時に、駿くんが家にきた。

「リョウタくん。駿くん来たわよ」

母親が、二階で、ふて腐れてたリョウタを呼んだ。

リョウタは、駿くんと、客間で話をした。


「リョウタさん。すいませんでした。マサトさんから電話着たことが嬉しくて、つい、京子さんに、マサトに頼まれたこと言ってしまって。考えなしでした。すいません」


駿くんは、リョウタに謝った。


「いいよ。駿くん、マサトさんを尊敬してるだろ。なら、仕方ないよ。オレも、京子の元カレと知るまでは、マサトさんは、尊敬するギタリストだった。だから、駿くんが、マサトさんを慕う気持ち分かるよ」


リョウタも、確かに、マサトを尊敬していた。speck crewのオープニングアクトやると決まった時は、とても喜んでいた。

だから、私の元カレと知ったとき、複雑だっただろう。


「でも、オレ。リョウタさんのギター好きです。リョウタさんにしか出せない音を持ってるし。だから、オレ、一緒にRSKやれると決まった時、嬉しかった」


これは、お世辞でもなく駿くんの本音だろう。だから、ギタリストの駿くんがリョウタとバンドを組むことになった時、すんなりベースをすると言ったのだろう。



「マサトさん。オレの知らない京子を知ってて、オレに出来ないこと、オレにないものを持ってるから嫉妬してしまう。メジャーなるとき、京子を東京に連れて行きたかったみたいだし」



「でも、京子さん行かなかったんでしょう。それって答え出てるじゃないですか」

駿くんが言った。




恭ちゃんが、寝てから、リョウタとソファで、くつろいでるとリョウタが言った。


「京子、なんで、マサトさんが上京するとき、ついて行かなかったんだ?」


「自分を犠牲にしたくなかったから。大学辞めたくなかったし、この都会に残りたかったし。東京に行ってメジャーになるのは、マサトの夢で、私の夢じゃなかったから」


それだけの想いだったのだろう。大学時代の彼氏でいいじゃないの。



「オレ、今、東京に行くって言ったら、ついてくる?」

「もちろんよ。恭ちゃんと、どこまでも、ついていくよ」

リョウタは、嬉しそうに笑った。


「20年も前の元カレなのに、なんで、そんなにマサトを気にするの?」

私は、リョウタに聞いた。


「オレの知らない大学時代の京子知ってるし。大学時代の京子と付き合ってたわけだし」


「それって。ひどいっ。やっぱり、リョウタ、今の私より若い私のほうがいいのね。ひどいっ。」

私は、リョウタに怒った。


「ち、違うって。今の京子のほうが好きだってー」

リョウタは、焦って弁解した。



大学時代の私って、リョウタは、そんとき小学生じゃないの。


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