きょうだい。
ランチタイムは、キッチンを花江が、手伝ってくれることになった。私の体を心配してか、ディナータイムも手伝うと言われたが、花江の娘さんが、大学受験なので、夜は花江が家にいた方がいいと思うので、ディナータイムは、大学生の潤くんがアルバイトすることになったのである。
潤くんは高校生の時に、リョウタがギターを教えたのである。今は地元の工業大学に行っている。潤くんが店に来た時に、アルバイト探してるとリョウタに言ってたので、じゃあ、うちの店のアルバイトしないかと言って、来てもらっている。
潤くんはモデル並の美少年である。
花江は、度々手伝ってもらったことあるので、手際がよくて、ランチの時間との戦いには、もってこいの人材である。ピザをお任せできるくらいである。
潤くんには、ディナータイムに、皿洗いと野菜を洗ってもらってる。ホールが混むときは、リョウタの手伝いもしてもらってる。美少年なのでお客様も喜んでいる。
こうして、私は店は、みんなに手伝ってもらいながら、Avid crownの東京のライブの話を進めている。
店から帰って、恭ちゃんを寝かつしけるときに恭ちゃんが聞いてきた。
「ママ。どうして、ボクには、きょうだいが、いないの?太郎くんも、お兄ちゃんがいるし、梨佳ちゃんには、弟がいるよ。なんで、いないの?」
恭ちゃんは、とうとう、兄弟という存在を気づいたらしい。
「恭ちゃんには、兄弟いるよ。恭ちゃんには、お兄ちゃんがいるの。いつもお空から恭ちゃんのことを見てるよ」
私は、産まれてこなかった子供のことを言った。流産した子供は、男の子か、女の子か本当のことは分からない。でも、きっと、リョウタに、そっくりだった男の子に違いない。だから恭ちゃんに、お兄ちゃんと言った。
「お兄ちゃん?」
恭ちゃんが私に言った。
「そう。恭ちゃんのお兄ちゃんが、ボクの分まで、パパとママに、恭ちゃんは愛してもらってね。と、言ってるんだよ。だからパパとママは、お兄ちゃんの分まで、恭ちゃんを愛してるんだよ」
「わかったー。ボク、毎日お空を見て、お兄ちゃんに、手を降るよ。」
恭ちゃんは、兄弟がいたことを理解してくれたみたいだ。
私、あの時も、リョウタに心配をかけた。
そうだよね。無理しても自分だけじゃなく、リョウタにも心配をかけることになる。リョウタはもう家族だ。だから、辛いなら辛いと言えるよね。
もう、我慢して自分だけ抱えこむ必要ないんだよね。




