ホームページ。
お客様から、お店のホームページは、作ってないんですか。と聞かれることが多い。今では、スマホで、簡単に見れるし、やはり、ホームページあったほうがいいのだろうか。ホームページ作成となれば、業者に頼まなくても、リョウタがIT関係の専門学校だったので、リョウタが作ってくれるのだが。
「ホームページ作って、きつい批判とか中傷くると、傷つくな」
休憩時間にホームページのことについて、話した。
「コメントいれないようにしたらいいじゃん。別に、ホームページじゃなくても、グルメランキングみたいなサイトで評価されてると思うよ」
ああ。今グルメランキングのサイト多いからね。県内のグルメランキングも、あるくらいだ。
「あった。あった。うちの店、評価されてるぞ」
リョウタが、グルメランキングのサイトを見だした。
「なになに。『イケメンの店長さんが笑顔で迎えてくれます。お店の雰囲気もよく、パスタは、和風、洋風があり種類豊富です。季節によって、デザートが変わるのもいいです』だって。☆が5つだし、好評価じゃん」
☆が満点とは、嬉しい。
リョウタは、次の評価も見た。
「えーと、『店長さんが、とてもイケメンです。パスタも、とても美味しいです。いつも満席なので、たまにしか行けないです』これは、☆が、4つかー」
「えっ、4つとは、減点は何が原因なんだろう」
私は、思わず言ってしまった。
「京子も完璧主義だな。☆が4つなんて、すごいんだぞ。満点なんて、そうそうないだろ。たぶん、満席で、たまにしか行けないのが不満点じゃないのか」
やはり、減点理由って、気になる。サービスが完璧じゃないってことだよね。
「悪評はないの?」
「えっ?批判とか傷つくって言ってなかったけ?」
リョウタが、評価されたコメントを探した。
「あっ。☆が2つがあった。どれどれ?『パスタは、すごく美味しいが、イケメン店長のせいか、女性客が多いので、男性は入りずらい。若くて可愛いウエイトレスをいれてほしい』」
ぶっ。やはりイケメン店長と、もてはやされて、不満の男性客もいるわけだ。
「なんだこれ。個人的趣味じゃねーの。ひがみじゃねーの」
リョウタは、その評価コメントに不満そうだった。
そんなわけで、ホームページは、作成することにした。
お知らせや、メニュー紹介などを載せることにした。お客様からのメッセージを受けることにした。blogは更新面倒くさいので、入れないことにした。
店終わって家に帰ってから、リョウタが早速、ホームページ作成に取りかかっていた。
夜11時頃、リョウタのスマホが鳴った。
「アニキだ。珍しいな」
「リョウタ?頼みがある」
「オレに?なんだよ。怖いな」
「100万円貸してほしい。どうしても、月末までに支払いしないと会社が危ないんだ」
リョウタのお兄さんは、大学を卒業して、入った会社を辞めて、二年前に独立したのである。
「100万円って、そんな大金。親父に言ったらいいだろーが。なんで、オレに言うんだよ」
「オレだって、リョウタに言いたくないよ。でも、親父に言ったら、会社継げとか、同居しろとか言われるのが嫌でさ」
「そんなアニキの会社が経営危ないなら、親父の会社を継ぐしかないだろーが。今回100万円払って乗り越えたとしても、継続していけんのか?」
「散々好き勝手やったリョウタに、そんな風に言われるようになったとはね。オレも終わりだな。親父の会社継げば、同居になるだろうし、嫁が同居は、嫌がってるんだよ。」
「親父、同居しろとまで、言わないと思うよ」
「とにかく、今回だけ、100万円貸してくれないか」
リョウタのお兄さんは、切羽詰まってるようだった。
「京子と一緒に働いた金だから、京子に言わないと」
「じゃあ、京子さんに言ってくれないか。あとで、連絡まってる」
そう言って電話を切った。
「リョウタ、お義兄さん、どうしたの」
私は、リョウタに聞いた。
「アニキの会社、危ないから、100 万円貸してほしいって」
「いいよ」
私はリョウタに言った。
「えっ。京子、ほんとに、いいのか。貸したって、100万円戻ってこないかもしれないぞ」
「いいよ。リョウタのお兄さんが困ってるんだから。お兄さんに振り込み口座聞いてて、明日振り込むから」
「京子ありがとう。」
そう言って、リョウタは、私を抱きしめた。
「オレ、京子と結婚してよかった」
なんか、そこまで、言うと調子いいな。
でも、会社経営は、大変だろう。どれくらいの規模の会社かは、詳しく知らないが、今、支払い大変なら、これから、どうやって、建て直すのだろうか。銀行から融資されないから、最悪リョウタに、言ったのだろう。
私も店を経営してるから、他人事ではない。今の状態を維持していくのは、大変である。やはり、今以上に、いかに美味しいパスタを提供できるか、研究もしなければ。
次の日、私は、リョウタのお兄さんの口座に100万円を振り込んだ。
「リョウタ、入金なってた。ありがとう。京子さんにも、くれぐれも、お礼を言っててくれ」
「アニキ、無理すんなよ。親父は、いつでも受け入れると思うよ」
リョウタは、父親の会社を継ぐように、遠回しに言った。
ランチタイム。
「京子ー。ホームページ見たわよ。素敵じゃないの」
花江が、来た。
「オレが、作ったんですよ」
リョウタが、花江に意気揚々と言った。
「あれだと、新メニューが、すぐ分かっていいわね」
早速ホームページのアクセス数も延びている。
休憩時間に、リョウタがお客様からのメッセージを確認した。
「あっ。メッセージ入ってる。どれどれ」
「いつも5歳の娘と、パスタ屋さんに行ってます。娘は、野菜嫌いで、どうにか食べさせようと試みみても、全く野菜を食べてくれなくて、大変でした。ところが、パスタ屋さんに行くようになってから、パスタに入ってるアスパラや、玉ねぎが、食べれるようになりました。娘は、イケメン店長さんが大好きなので、最初は、店長さんに誉められるために食べたのかもしれませんが、今では、野菜を美味しいって言って食べてくれます。これも、美味しいパスタと、イケメン店長さんのおかげです。ありがとうございます。また娘と、食べに行きます。」
こういうメッセージでした。
「ふーん。いいじゃん。子供の好き嫌いもなくすパスタ屋じゃん。やっぱオレのおかげ?」
勝手に、言ってなさい。そんな自負してると、また男性客から、不満かうぞ。