表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/175

婚約。

「リョウタ。私と恭ちゃん、婚約したよ。さっき、恭ちゃんにプロポーズされたの」

ソファで、ジャンプを読んでたリョウタは、『へっ?』という顔をした。

「誓いのキスもしたんだもんねー。もう一緒にお風呂に入る仲なんだもんねー」

「ねー」

私と恭ちゃんは、手を繋いで、リョウタに報告した。

「ふーん。じゃあ、京子、重婚じゃん」

リョウタは、呆れたように言った。

「じゅうこんって、なあに?」

恭ちゃんが聞いてきた。


「ママは、パパと結婚してるのに恭とも結婚すること。普通は一人の男としか結婚出来ないの」


なにも。子供の夢に水を差すようなことを言わないでもいいのに。リョウタ、子供相手に、意地悪だ。


「嫌だー。ボクはママと結婚するー」

恭ちゃんは、泣き出した。

「ママは、恭ちゃんと結婚するよ」


実際は、出来ないが息子からプロポーズされるなんて、嬉しいじゃないの。




「えっ。披露宴?」

真吾くんと、二人で飲みに言った時に真吾くんが言った。


「オレと京子、式は身内だけでしたけど、披露宴はやってないんだよ。恭が京子にプロポーズしたって、京子が喜んでたから、オレ達も披露宴やりたいなーと思って。最近、披露宴に出席するのも多いから、一層思ってさ」


私は披露宴は断固拒否したのである。晩婚だったし、皆さんにお披露目するほどではない。誰が私のウェイディングドレスを見たいだろうか。


「やったらいいさ。甲斐の披露宴は、好評だったし、リョウタくんも、ライブ感覚で、やったら?ライブハウスで、披露宴パーティも良いんでないの」

「なるほどー」

「甲斐の倉は、ライブするのはいいけど、料理を準備するの大変だから難しいから、会場決めるのオレに任せてくれる?京子社長が喜ぶようなハコを探すからさ」


こうして、もろもろの段取りは真吾くんがすることになった。



「えっ。披露宴パーティ?何で今さらするの?」

私は、突然、リョウタが言い出したので戸惑った。


「披露宴かなり出席してるうちに、オレ達もしてもいんじゃないかって。仲良い人を呼んで、披露宴したいなーって思って」


それは、私達は披露宴に呼ばれることが多い。でも、私は、41歳だし、気が進まない。


「ドレス着ないなら、いいよ。ワンピースでも、いいなら」

「なんでたよ。披露宴パーティなのにドレスだろーが」


絶対嫌。41歳がウェイディングドレス着るなんて、馬子にも衣装みたいなもの。私の場合、10歳下のリョウタとドレス着て並んだら、絶対。年の差がでる。招待客が来るのに嫌だ。若作りにも限界がある。


「今、晩婚多いし再婚でも披露宴するし、40代50代で、ウェイディングドレス着るのなんて、当たり前だろ。ウェイディングドレスだって、選べるんだから、年相応のドレスあるだろ」


そりゃあ。大人ぽっいウェイディングドレスもあるだろうけど。

でも、みんなが見るのに、恥ずかしい。


「なんで41歳でも、京子、綺麗なのに、そんな見た目気にするんだ。おかしいよ。気にしすぎ。恭だって喜ぶだろ」

そこまで、言うなら、折れるしかない。



会場は決まった。真吾くんが、真吾くんの友達のお父さんが、趣味と道楽でやってるジャズバーを見つけてくれたのである。


「ジャズバーだからライブできる状態だし、道楽の店のわりには意外と広い。ただ、バーだから、ツマミ程度だから、パーティ用の料理は、できないと思うから、紀香とも話したんだけど、京子さんの料理教室の生徒さんが作るのはどうかな。生徒さんも京子先生のお祝いのために作りたいと思うし。まあ、京子さんほど、上手くは出来ないと思うけど」


真吾くんが、リョウタとの打ち合わせの時に言った。

私は、ウェイディングドレス着てくれれば、いいからと、段取りは、真吾くんが中心でやっている。

真吾くんは、東京の企業で営業やっていたし、今、農業青年会の会長をやっているせいか、段取りが素早いし、まとめ役も適してる。


「招待客だけど、けっこう増えそうでさ。で、幼稚園のママ友と、恭の友達を呼ぶのが難しい。仲良い人一部だけ呼ぶと、『うちの子呼ばれない』とか、なるよね」

リョウタが、真吾くんに相談するように言った。


「だったら会費制にするんだから、一応、その恭ちゃんの組の人全員に、通知して、出席希望のかたは出席みたいな形で、いんじゃない。」


確かに、仲良くしてるようなママ友でも、お金だしてまで、参加したくない人もいるだろう。

「あと、曲だけど、京子さん、どのアーティスト好きなの?」

「古い洋楽とか、亡くなったギタリストとか」

「偉大な故人ばかりだな。」

そう伝説の偉大なるスターばかり好きだ。存在感が、すごくて、いつまでも残る。



リョウタが、幼稚園行ったときに、披露宴パーティのお知らせの紙を父兄に配った。

「都合悪い人もいると思うので今週中にメールで、いいので出欠のほうを教えてください。」

園児は会費は無料である。


「あのー。私、あまり笹原さんとお話ししたことないんですが子供に、こういうパーティとか経験させてやりたいので参加していいですか」

確かに、いつも他のママ達と、あまり喋らない聡くんのママが言った。


「いいですよ。ぜひ参加してください」

リョウタが聡くんのママに言った。



出席者が意外と多かった。

幼稚園関係は、恭の組の人の8割くらい親子で参加するみいだ。

あとは私の友人は、中学までの友人は、花江を含めた女子会グループと、高校は慶子夫婦。大学は理恵夫婦。料理教室の受講生は料理を用意をしてくれるので、全員参加する。

私の両親と兄家族。リョウタの両親と義兄家族。

仲の良い常連客。

リョウタは翼くん家族。あとは同級生の友達は、遠いので、呼ばないらしい。バンド関係の仲良い人を呼ぶらしい。



ウェイディングドレスをリョウタと揉めながら、決めたし、真吾くんが司会やるらしいし、あとは披露宴パーティの日曜日を待つばかりだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ