事務所設立。
Avid crownの事務所を設立といっても、個人事務所である。
仕事の依頼などは、メールで、受け付ければ、仕事中でも、チェックもしやすい。
まず、最初の仕事の依頼は、地方銀行のCMソングである。私は、早速、水曜日に、その地方銀行の広報担当と、打ち合わせに行った。
「あっ、笹原さんじゃないですか」
広報担当の方は、石垣さんと、言って、私が商社で働いてたときの取引銀行の担当だった。
「広報に移動されたんですか」
「はい。一年前に、広報担当になりました」
石垣さんは、38歳である。でも、顔見知りだと、話が早い。
「で、今回、当社CMに、Avid crownさんの『街』という曲を、使いたいのですが。CMの方も、街をテーマに制作したいもので、この曲の歌詞も、イメージに合ってます」
「わかりました。この曲は、私の住んでおります○○市をイメージして、ギターのリョウタが作ったものです」
「では、○○市を舞台にして、制作したほうが、イメージぴったりですね。ところで、上からも言われてまして、CM制作費を押さえるようにしたいのですが、広告代理店を通すと、かなり弾むので、笹原さんの事務所では、モデルを手配できますか」
石垣さんは、制作費をかなり押さえたいので、メジャーデビューをしていないAvid crownに依頼したのであろう。
「○○市の住民で、モデル以上にモデルになる人材が何人かいますので、私の方で、手配致します。よろしかったら、私が絵コンテの方もしますが。撮影、編集は制作会社に頼むことになると思いますが、その他は、私の事務所で、致します。」
ということで、私は、コンテを提出し、オッケーももらったので、制作にとりかかることにした。
ローカルテレビ局に勤務の理恵に、信頼できる制作会社を紹介してもらった。
そう、出演者のモデルは、もちろん、この町のイケメン達である。
真吾くんには、田んぼが広がる稲の前で、撮影し
駿くんには、野菜の作業をしてるところを撮影し
カンジくんには、大工の作業を撮影する。
そして、リョウタには、スーツを来て、銀行の営業マンになってもらう設定である。
CM演出は、もちろん私である。
撮影は、無事に終わった。
みんな素材のいいイケメンなので、ヘアメイクも、スタイリストも、私がやった。自然に行きたいので、ヘアメイクに無理に手をかける必要もなかった。
地方銀行の広報担当の石垣さんに、見てもらうと
「笹原さん。モデルが、すごい良いですよ。爽やかなイケメンばかりで、好感度あがりますね。なかなかモデル事務所でも、あそこまでのイケメンを揃えるのは難しいですよ。曲も合ってます」
気に入ってもらえたようである。
あとは、オンエア日を、待つばかりだ。
ローカルの情報番組の間に流れるらしい。
私達は、家族全員で、オンエアを待っていた。
『あなたの町に、必要とされたい。私達のこころ』
真吾くんが映り、駿くんが、映り、カンジくんが映り、最後にリョウタが、スーツを来て、この町を爽やかな笑顔で歩いていく。
○○銀行。
「はあー。みんな爽やかね。素敵な笑顔だわ」
惚れ惚れしたように母親が言った。
「みんな好青年で、いいね」
父親が言った。
「町も、綺麗な風景で、撮れてた」
リョウタが言った。
花江から電話が、かかってきた。
「京子っ。見たわよ。最高の笑顔、素敵だったわ。曲も、ぴったりだった。」
花江は、興奮していた。
ということで、店をしながら、Avid crownのマネージメントもします。
オーナー兼代表取締役も、努めます。




