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パパ友。

恭ちゃんが、風邪気味なので、総合病院に連れていった。

すると、カンジくんがいた。

「おばあちゃんが、腰いたい言うから、オレ、今日仕事ないので、付き添いで来たんですよ」

松子さんは、仕事だし、カンジくんが松子さんのおばあさんの付き添いで来たらしいが、松子さんのおばあさんは、嬉しそうだった。

「待合室で、待ってたら、みんなに、『お孫さんに付き添ってもらったんですか、いいですね』『優しいお孫さんですね』と、言われたんだよ。」

松子さんのおばあさんは、80歳を過ぎてると思うが、孫婿に、付き添ってもらって、とても、嬉しそうに言った。

「残りの老後をイケメンと暮らせるなんて、私は、幸せだよ」


イケメンの婿をもらって、松子さんは、おばあちゃん孝行をしたわけだ。



リョウタは、酔っぱらって帰ってきて、リビングに寝てしまったのだが、私がリビングにリョウタを起こしてベットに寝せようと行ったら、リビングのソファに寝ていたリョウタに毛布がかけてあった。靴下も脱いであった。


「ああ。私よ。リョウタくん、リビングに寝てたから、風邪ひくと思って、毛布かけたのよ。あと、リョウタくんが、京子と間違って、靴下脱がせてと言うから、私が靴下脱がせてあげたの。」

朝に、母親が言った。


母性をくすぐる若い婿って、得だと思った。

これが、本当ならば、「酔っぱらって帰ってきて、みっともない」「こんなところで寝て、だらしない」と、婿批判を姑にされても、おかしくない。


「えっ。お義母さんだったの?京子だと思った。京子と同じ脱がせ方だったし」

リョウタに言ったら、私だと思ってたらしい。

「親子だなー。そっくりだ」

あの煩い母親と、そっくり言われても、嬉しくないが、やっぱり似るのかな。でも、良いところなら、ともかく、母親の悪いところは、真似しないようにしよう。私が子供の頃、母親にされて、言われて嫌だったことは、真似しないで、恭ちゃんに、しないようにしよう。

それを真似したら、恭ちゃんが嫌な思いをしてしまう。甘やかしてる言われても、子供に、嫌な思いをさせたら、いつまでも覚えてるものだから、気を付けよう。


「お義母さーん。昨夜は、ありがとう」

リョウタは、調子よく、母親にお礼を言った。

母親は、リョウタに、『風邪ひかなかった?』と、聞いたりして、嬉しそうだった。親子だと、男の好みも似るのだろうか。

いやいや、私が、頭の固い父親みたいなのを選ばないでしょうー。




水曜日。

明奈ちゃんのパパが、迎えにきていた。おばあちゃんが迎えに来ることが多いが、仕事の都合つけば、なるべくパパが来てるみたいだ。

明奈ちゃんのパパは、幼稚園に入る少し前に離婚したらしい。明奈ちゃんのママは、明奈ちゃんをおいて家を出たらしい。

明奈ちゃんのパパは、家業をついで、両親と一緒に、団子屋をやっている。

明奈ちゃんのお弁当は、パパが作ってるらしい。そういうことで、ママ達の間で、明奈ちゃんのパパは、32歳で、爽やかだし、『感心ねー。』『うちの旦那なんて、お弁当作れないわよ。』と、イクメンパパだと、絶賛されている。


「パパー。お弁当美味しかったー」

明奈ちゃんは、パパに言っていた。

私が恭ちゃんと、帰ろうとすると、明奈ちゃんのパパが声をかけてきた。

「あのー。恭ちゃんのママ。オレに、唐揚げの作り方教えてくれませんか」


明奈ちゃんのパパは、私の男の料理教室を受講したそうだ。そういえば、いたような。でも、男性だとリョウタに言われそうだな。

「申し訳ないんですが、男性のかただと、主人が心配するので。」

私は、申し訳なそうに、断った。

でも、明奈ちゃんのパパは、本当に、明奈ちゃんに手作りの唐揚げを、食べさせたくて、唐揚げの作り方を覚えたくて、いってるのが感じた。


「京子、何やってんだよお。遅いっ」

車で待っていたリョウタが来た。

リョウタは、明奈ちゃんのパパを見て何か言いたそうだが、子供がいたので、我慢したようだ。

「すいません。オレが、恭ちゃんのママを引き留めてしまって。唐揚げの作り方を教えてもらいたくて」

明奈ちゃんのパパは、リョウタに言った。

「あっ。男の料理教室に、いたよね。」

リョウタが、料理教室を受講してた明奈ちゃんのパパに気づいた。


「あっ。じゃあ。日曜日。太朗くんのママとか、料理しに来ますんで、明奈ちゃんのパパも、来ますか?」

リョウタが、えっ。って顔したが、ママ達も一緒なら、問題ないだろう。




「イクメンパパは、まずいんじゃないの。きっと、Facebookとかに、作ったお弁当の写真とか載せて、好感度あげようとしてるよ。けっこう爽やかで、シングルファーザーって、ママ達から人気ありそうだよね」

リョウタが飲みに行ったとき、真吾くんが言った。

「そうだよな。なんかイクメンアピールが、うさんくさい。そのパパ、男の料理教室に、いたんだよ」

リョウタが、明奈ちゃんのパパが、料理教室に来てたことを言った。

「もしかして、澤田先輩かな?オレの一個上。確か、最近離婚したって聞いた。団子屋?」

どうも、明奈ちゃんのパパは、真吾くんの先輩らしい。

「うん。団子屋って言ってた」

「あーじゃあ。そうだ。澤田先輩だ。後輩にも面倒見よくて、良い先輩だったよ。でも、爽やかだから、モテた。」

真吾くんの話によると、明奈ちゃんのパパの奥さんは、パート先で知りあった男性と浮気し、家を出たらしい。

「それで、子供をおいて、男のところに、行くんだ。なんだか、その澤田先輩って人、かわいそうですね。」

駿くんが言った。



日曜日。

太朗くんのママと、公造くんのママが来た。

「唐揚げ、いいですね。私も美味しい唐揚げの作り方、知りたいです」

「私が、作ると、べちゃっとなるんですよね」

太朗くんと公造くんのママが言った。

時間になると、明奈ちゃんのパパが、明奈ちゃんを連れてきた。

「すいません。明奈が、どうしても、恭ちゃんちに行きたいというから、連れてきてしまいました」

「あっ。いいですよ。太朗くんも、公造くんも来てます。料理中は、うちの主人が、面倒みますので」

ということで、子供達は、リョウタが見ている。


「明奈が唐揚げ好きなんですが、私の母も、私も、明奈が好きなような唐揚げに、出来ないんですよ。スーパーの惣菜の唐揚げの方が好きみたいなんですよ」

明奈ちゃんのパパが言った。

「スーパーとかの惣菜の唐揚げだと、味を濃くしてるかもしれませんね。ニンニクも、生姜もきかせてるかも。でも、今日は、子供達が好きな唐揚げで、お弁当にもいれるなら、生姜は、控えめにしますね。」


私は、唐揚げの作り方を教えた。


「おいしー」

「スーパーのより、美味しいー」

子供達は、出来た唐揚げを食べると、喜んでいた。

「パパ、すごいー」

明奈ちゃんも喜んでいた。


次は、ママ達が、おやつに出来るお菓子の作り方を知りたいと言うので、マフィンを教えることにした。

「明奈も、パパに作りたいー」

明奈ちゃんが、お菓子を作りたいと言ったので、今度は、明奈ちゃんが参加することになった。


「うん。明奈ちゃん、上手だよ」

明奈ちゃんは、パパに食べてもらうために、一生懸命に、私の言うとおりにした。



「オレの元女房は、あんな風に、明奈とお菓子作ることなんて、しなかったです」

明奈ちゃんのパパは、リビングのソファに座って、リョウタに話をした。

太朗くんと、公造くんと、恭ちゃんは、仮面ライダーのDVDを見ていた。


「オレが悪いんです。女房の気持ちを分かってやれなかったから。オレの親との同居が辛かったみたいで。オレの母も、元女房から見ればチェックの厳しい姑だったみたいで、かなりストレス溜まってたんでしょうね。次第に、女房が子供にアタるようになりまして。明奈も、女房を怯えるようになり、おばあちゃんっ子になってしまったんです。うちの母も孫には優しかったんで。居場所のない女房は、外にパートに行き始めたんです。そこで、年下の男と浮気して、本気になって、出ていきました。オレが、そうさせたのかも、しれない。」


明奈ちゃんのパパは、台所で、明奈ちゃんが、楽しそうに、お菓子を作っているのを愛しそうに見ていた。


「オレ、子供に罪なことしたんですかね。明奈は女の子だし、母親が必要ですよね。そんな思いさせたくないから、出来るだけオレも、明奈の面倒を、見るようにはしてますが、お弁当だって限界ありますし、なかなか母親の変わりには、なれてないです」


「そんなことないですよ。今、パパのそばに、明奈ちゃんがいるんだから、パパの一生懸命な思いは、明奈ちゃんに伝わってると思います」

リョウタが、明奈ちゃんのパパに言った。





マフィンが、焼き上がった。

「わあー。美味しそう」

「明奈ちゃんが、作ったの良く出来てるよ」

明奈ちゃんは、パパに、あげたいと、言うので

「じゃあ、ラッピッグして、パパにプルゼントしようか」

私は、ラッピッグの袋を持ってきて、明奈ちゃんに、マフィンを入れてラッピッグするのを手伝った。

「可愛いー」

明奈ちゃんは、上手にラッピッグ出来たので、とても喜んだ。

「明奈ちゃん、上手ー。」

「パパ喜ぶよー」

太朗くんと、公造くんのママ達も誉めた。



「パパ、明奈が作ったのー」

そう言って、明奈ちゃんは、パパにラッピッグしたマフィンを渡した。

「明奈、ありがとう。すんごい美味しいよ」

明奈ちゃんのパパは、泣きながら、マフィンを食べた。




明奈ちゃんのパパは、帰るとき、リョウタに言った。

「恭ちゃんのパパ。オレ、パパ友が、出来て嬉しいです」

パパ同士、子供の話が出来るといいだろう。




「オレ、やっぱ、女の子は、無理だ」

リョウタが、夜に、私と、くつろいでる時に言った。

「オレの娘が、いつか他の男のモノになるなんて、許せん。絶対、無理。娘に彼氏出来て、あんなことするなんて考えただけで、耐えられないー」


ああ。リョウタは、何人の娘さんに、そんなことしたのかな?

そのときの男親の気持ちを分かったかな。

少しは反省しろよ。




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