お歌の発表会
今度、幼稚園でお歌の発表会がある。入ったばかりで、もう幼稚園行事である。
入園して子供達が、こんなに頑張りましたよ。というか、自分達の指導も御披露目したい幼稚園側の父兄へのアピールもあるだろう。
御披露目と言っても、1曲である。
私はリョウタと参加した。
子供達が父兄の前で、歌うのを楽しみにしていたのに先生達が、ざわざわしている。
「ピアノ伴奏する鹿野先生が、インフルエンザだそうですっ」
「えー。あの曲は鹿野先生しか、練習してないわよ」
「私も、いきなりは弾けません。無理です」
どうやら、ピアノ伴奏する先生が、インフルエンザで来れないらしい。
「他の曲で、簡単なのに変更しますか」
「それとも、カラオケにしますか」
先生達は父兄も揃ってるし、アタフタだった。
「鹿野先生、インフルらしいわよ。せっかく子供達が難しい歌を練習したのにね。」
「私なんて、ビデオカメラ持ってきたわよ」
「うちの子なんて、歌えなくて泣きながら練習したのよ。今さら、変える言われてもね」
父兄は、ぶつぶつ文句を言い出した。
私は、しゃしゃり出るのも嫌だったが子供達が一生懸命練習したのだから、この曲を歌わせてあげたかった。
「もし、よろしかったら、私が、ピアノ弾きましょうか」
私は、先生達に言った。
「恭ちゃんのお母さん、弾けるんですか」
「はい。恭ちゃんと練習しましたので」
こうして私の伴奏で、人気のアニメ映画の主題歌を歌うことになった。
年少さんに、難しい曲のような気もするが先生達が、父兄を感動させたいということで選んだみたいだ。
「じゃあ、いくよ」
私は、そうしてピアノを引き始めた。
指揮をつとめた先生が、子供達に歌いはじめを合図した。
子供達が、バラバラに歌い始めた。
歌詞を覚えてない子もいたようだ。難しいかもしれない。
聴いている曲でも、実際に自分で歌うとなると難しい。
うまく声を出せない子供達を導いて、先生達が一緒に歌うべきだ。
リョウタが、一緒に歌い出した。
すると、子供達もリョウタについて、歌い出した。
リョウタは、私が恭ちゃんと練習していたのをよく聴いていた。だからリョウタも歌える。
他の父兄も歌い出した。
子供達も、お父さんとお母さんと一緒に歌えて良かったのか、声を大きくだして歌うようになった。
子供達が無事に歌いおわり、父兄達は大拍手だった。
「良かったわよー」
「頑張ったわね」
父兄達は、子供達の頑張りを絶賛していた。
子供達も調子がついたのか、もっと歌いたいと言い出した。
「恭ちゃんのママ、けんちゃんの歌を弾いてー」
弦くんが言った。
「いいよ」
私は、アニメのけんちゃんの歌を弾いた。
子供達は、一緒に練習してないのでバラバラではあったが楽しそうに歌った。
父兄に、披露するために先生達が曲を選んで、子供達に指導するのは分かるが、歌は聴いて覚えるものだし、好きな曲だと自然に覚えるものだ。
楽しんで、歌わないと歌うことが好きじゃなくなる。
無理矢理の指導で、嫌いになったものが私も小さい頃あった。
私は、美味しくない給食を無理矢理食べさせられて、給食が憂鬱になった。
歌詞が良い詞だ。
歌詞の意味が分かるような年齢になったら、すごい良い曲だって分かるだろう。
そして幼稚園のとき、歌ったことを凄いと思うだろう。
「あっ。ビデオ撮れなかったね」
私も恭ちゃんが歌う姿を撮りたかったのだが、ピアノ伴奏で、撮れなかった。
「恭ちゃんママ、私、撮りましたのでコピーしますよ。」
太朗くんのお母さんが言った。
「ありがとうございます。お願いします」
子供達の始めての共同作業が、無事に終わった。
次は、何を発表してくれるでしょう。




