一方的な想い。
料理教室を彩ちゃんが体調悪いと休んだ。今まで、一度も料理教室を休んだことないので、心配になった。
「先生、最近、彩ちゃん元気ないみたいだったんですけど、体調悪かったんですかね」
紀香ちゃんが心配そうに言った。
「あとで、私からもメールしてみるね」
私は紀香ちゃんに言った。
料理教室終わってから、母親に頼まれて、総合病院に、近所の人のお見舞いに行った。
すると産婦人科から、彩ちゃんが出てきた。
「京子さん・・」
私を見て、彩ちゃんは、気まづそうだった。
「彩ちゃん、体調大丈夫なの?」
「はい。今日は、料理教室休んですいません」
私と彩ちゃんは、病院の食堂で、お茶をしながら、話をした。
「京子さん、私、妊娠したんです・・」
彩ちゃんが言った。
「おめでとうー。良かったね。駿くん、喜んだでしょう」
私は、自分のことのように嬉しかった。
「駿には、まだ言ってなくて。私、産んでいいのか、分からなくて・・」
彩ちゃんは、泣きそうに言った。
父親になる駿くんに言ってないって、何かあったのだろうか。
「彩ちゃん。駿くんに言わなきゃだめだよ。早く言ったほうがいいよ」
私は、彩ちゃんを心配して促した。
「駿のお父さんもお母さんも、私に優しくてしてくれて、不満なんてないんですが、駿の気持ちが分からないです。もともと、私は駿のバンドのファンで、私が一方的に好きで、無理に押し掛けて、駿と同棲したみたいになったんです。それで、駿が実家に帰るときに別れを言われたんですけど、私が駿を追いかけて、ここに来たんです。だから、結婚も、駿は、仕方なく流されてしたんじゃないかって、思ってしまって・・。だから、妊娠したけど、産んでいいのかなって。駿、本当は嫌なんじゃないかなって・・」
彩ちゃんは、妊娠して、気持ちも不安定になっているだろう。色々考えてしまうだろう。
でも、私は、彩ちゃんの気持ちが痛いほど、分かった。
相手の本当の気持ちなんて、誰も分かりはしない。
一方的に想ってるのかもしれないと、不安はある。
駿くんは、クールだから、いっそう気持ちがわかりづらいだろう。
でも、駿くんなら、嫌なら結婚しなかったと思う。
「彩ちゃん。不安なら、駿くんに言わなきゃだめだよ。一人で抱え込んでは、いけない。二人の子供なんだから。」
私には、泣いてる彩ちゃんに言った。
「私だってリョウタと結婚して、不安ないわけじゃないよ。リョウタは10歳も年下だから、余計なこと色々考えてしまうよ。でも、リョウタのこと好きだから不安でも、一緒にいたいし。彩ちゃん。今、一緒に居るんだから、言わなきゃだめだよ。」
「京子さん・・。私、駿に言います」
そうして、彩ちゃんは、駿くんに言うといって、家に帰って行った。
次の日。駿くんが、店に配達に来た。
「リョウタくん、京子さん。彩が妊娠したんですっ。二ヶ月だって。オレ、父親になるんですっ」
駿くんは、とても嬉しそうだった。
「おめでとう。良かったな」
リョウタが言った。
「おめでとう。駿くん、彩ちゃんの体を労ってあげてね」
私は言った。
「うちの親父なんか、やばいですよ。彩が妊娠したこと知ったら、会った人、全員に言っちゃって、近所にも、わざわざ言いに行って、嬉しさ全開です。」
駿くんは、また嬉しそうに言った。
「初孫だもんね。おじさん嬉しいよ」
私は言った。
「オレ、恭ちゃんを愛しそうに見る京子さんとリョウタさん見て、オレも、いつか父親になりたいなって思ってたんです。だから、すごい嬉しい」
クールな駿くんには、珍しく、すごい喜びようだようだった。
彩ちゃん、安心しただろうな。
仕事が終わって、家に帰ってから、私はリョウタに聞いた。
「リョウタは、私が妊娠した時、嬉しかった?」
「なに言ってんだよ。嬉しいに決まってるだろ。二番目の子供、嬉しかったよ。一番目の子供は、産まれてこなかったけど、恭が産まれてきたときは、涙でた。一番目の子が恭を無事に産ませてくれたんだなって」
リョウタは、あの時を思い出したように、しんみり言った。
一方的に相手を想って不安になって、上手くいかないときもある。でも相手の気持ちを知る方法なんて、きっとない。
高価なプレゼントをもらって、愛を計るなんて、それは不確かなものだ。お金がないから愛がないなんて、計れない。
リョウタは、お金がなくても私に沢山の癒しをくれた。
それを愛と計ってもいいじゃない。
夜中に玄関を叩く人がいた。
「誰だろ?こんな夜中に」
「リョウタくーん。京子さん、開けてくれー」
玄関を開けると、真吾くんだった。
「どうしたの?真吾くん。もう寝てたんだぞ」
リョウタが眠そうに聞いた。
「紀香が妊娠したー。今、妊娠検査薬で、でたー。やったー。オレ、親父になるだよおー」
真吾くんは、嬉しさのあまり叫んでいた。
あまりの嬉しさにリョウタに言いに来たのだろう。
こうして。彩ちゃんと紀香ちゃんは妊娠し、二人の子供は、同級生になります。




