叱言。
昼休憩時間に、リョウタが、買い物に行ったので
花江と盛り上がって、話していた。
「旦那が夏休みに、ゴロゴロしてるから、いちいち注意したら、ウルサイババアだなと、言われた。ムカつくわー。50歳過ぎたジジイに言われたのよ」
花江の旦那さんは10歳年上である。
私達も煩く思われる年齢になったのだろうか。
「私も分かってるんだけど、ついつい煩く言っちゃうのよね。旦那も働いてるから休みの日くらい家でゴロゴロしたい気持ちは分かる。でもさ、家でゴロゴロされると、片付かないのよ。綺麗に掃除したと思ったら、すぐ散らかすし。新聞読んだら、読みぱっなし、服を脱いだら脱ぎぱっなし、洗面所を使えば、水をあちこちに、飛ばして、ビショビショにしても、そのままよ。これじゃあ、煩く言いたくもなるでしょー」
花江は、話しながら怒りが蘇ってきたようで、賄いをガツガツとすごい速さで食べ終えた。
「確かに男の人は家事やらないから、掃除の大変さが分からないわよね。私も、リョウタに、口うるさくなってきたから、抑えようとはするんだけど言い出したら止まらない」
私もリョウタに、いつか煙たがれるんだろうか。
いや、すでに煩いと思われてるかもしれない。
恭ちゃんまでに、煩く思われたら、どうしよう。
「私、10歳年上だから、煩いババアってリョウタに、すでに思われても、おかしくないよね」
私は、花江の話で不安が湧き上がり言った。
「リョウタくんは大丈夫よ。リョウタくんは、怒った京子も、煩い京子のことも好きだから大丈夫よ」
花江は、確信を持ったように私に言った。
そうだと、いいけど。
ディナータイムに、幸恵おばあちゃんが来た。
「幸恵おばあちゃん、いらっしゃい。」
リョウタが挨拶をすると
「お兄ちゃん、いつものうどんね」
幸恵おばあちゃんは、手押し車を横に置き座った。
一人暮らしだった幸恵おばあちゃんは、隣の市に住んでいた息子さんが定年退職になり、奥さんと一緒に実家に戻り幸恵おばあちゃんと暮らしている。
一時は、腰を痛めて、店に一人で来れなかったがリハビリをし息子さんに手押し車を買ってもらい、一人でも店に来れるようになった。
息子さんの奥さんは、近くのコンビニにアルバイトに行ってるようで、お嫁さんがアルバイトから帰ってくるときが、遅い時は店に食べに来る。
幸恵おばあちゃんに、ひ孫ができた。
28歳のお孫さんが、結婚し三カ月前に子供が生まれたのである。
お孫さん夫婦さんは、隣の市のマンションに暮らしてるので、たまにひ孫さんを見せに来る。
地元を離れたくない高齢者は、一人暮らしになる場合も少なくない。
幸恵おばあちゃんは、ご主人様が亡くなられてから、ずっと一人暮らしだった。
85歳になった幸恵おばあちゃんが、また家族で暮らせて良かったと思う。
「これ、うちのひ孫。昨日、孫が送ってくれた」
幸恵おばあちゃんはリョウタに、息子さんに買ってもらった携帯に入れたひ孫さんの画像を嬉しそうに見せた。
「この間より、大きくなりましたね。可愛いー」
幸恵おばあちゃんとリョウタを見ていて、思った。
私も恭ちゃんが成長して家を出ても、いつでも帰ってこれる家にしたい。
「リョウタっ。そのままソファに寝ないで。お風呂に入ってから寝てよねっ」
家に帰ってから疲れてソファに横になって、そのまま寝ようとしたリョウタに、つい煩く言ってしまった。
「ごめん、煩く言って。疲れてるからソファで寝てしまうよね」
私は煩く言った自分に気づいたので、リョウタに謝った。
「いいよ。怒った京子も、萌えるから」
そう言ってリョウタは、意味ありげに笑った。
夏休み終わり。最終日に書けて良かったです。
明日から、ガンガン働きます。笑。




