表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/175

二番目。


日曜日。

恭ちゃんとショッピングモールに行ったら、偶然にも、花江と佑実と会いフードコードで休むことになった。


「ずっと黙ってたけど、実は私、一番目に好きな人が、ずっーと忘れられないの」


そう言って佑実は、ため息をついた。


「佑実、この間は旦那とはいまだに、ラブラブって自慢してなかったけ?」


花江がコーラを吸いながら言った。



「それは旦那が、私のことを一番目に好きだからよ。旦那は、私のことを好きで好きでたまらないの。ほら、私、いまだに、ちっちゃくて可愛いから」



また出た。佑実の低身長で可愛くて童顔自慢。


「でも私は、中学の時から、木村くんが忘れないの」


木村って、あの中学の同級生の木村っ?!


「あー、佑実と木村くん、少し付き合ってたもんね」


花江が、コーラをズッーズッーと吸いながら言った。



「そうなの。でも高校が別々だから、泣く泣く別れたの」


高校、別々って、同じ町内なんだから、すぐ会えただろーが。



「中学の男子なんて、どうでも、いいわ。今は、どいつもこいつもオッサンなんだし。さっさっと忘れたら?」


花江はコーラを飲み終えて、今度はソフトクリームを買いに行き、恭ちゃんの分も買ってきた。


「花江おばちゃん、ありがとうっ」

恭ちゃんは、嬉しそうにバニラのソフトクリームを舐めた。




「でも木村くんは別よ。オッサンじゃないわ。きっと今も素敵よ」


佑実は、花江の全否定にも、耳もかさず、好きな人と会えない悲劇のヒロインのように浸っていた。



「木村くんって、隣の県にいるよね。確か教師だったような。独身らしいわよ。佑実、チャンスよ。告白したら」


花江は淡々と言った。



「でもー。旦那に悪いし。やっぱり二番目に好きな人と結婚するのが幸せというしー」



こいつは不倫ドラマの見過ぎで、浸ってるのかもしれない。




「京子の旦那さんは、きっと京子が二番目に好きだから結婚したんでしょう。じゃなきゃ10歳も年上と結婚するわけないしー」


佑実は、無理矢理、リョウタの話を持ちだしてきた。

ったく失礼なやつだ。



「何言ってんの。リョウタくんは京子が好きで好きで、こんな田舎に追いかけてきたのよ。夢中なのはリョウタくんの方よ」


花江がムッとして、佑実に言った。


「まあね。京子は、お金もあるしね」

佑実はヒモと言わんばかりに遠回しに言った。




「最近、木村くんのことを思い出して眠れないくらい辛いの」


佑実は完全に浸って、ため息をついた。



「そろそろ夕飯つくらなきゃ、いけないし、帰らない?」


花江は、佑実の話に飽きたようだ。



私達は、佑実とフードコードの前で別れた。




「もしかして佑実?中学から身長がかわらないから、すぐ分かったよ」


店内に響くような大きな声で、佑実に声をかけた男性がいた。



私と花江が振り返った。



佑実は、太ってハゲたオッサンに声をかけられていた。


「誰ですかっ?私は、あなたなんか知りませんっ。なれなれしいっ」


佑実は馴れ馴れしく声をかけたオッサンに怒っていた。


「わかんないの?オレだよ。オレっ。木村。中学のときに付き合っただろ。元彼を忘れるのかよ。ひどいなー」



木村っー?!




私と花江は、驚いた。

中学の同級生の佑実の忘れらない一番目に好きな木村くんは、お腹もでて太った赤らめ顔で、頭がハゲていたオッサンの姿だった。




佑実、一番目に好きなんでしょう。告白のチャンスよ。



私と花江は心の中で、つぶやいた。




「あなたなんかと、付き合ってませんっー」


佑実の声が、店内中に響いた。




「あれ?京子じゃないか。相変わらず綺麗だな。さすがマドンナは、夢を壊さないな」

佑実の夢は崩れたが。


木村くんが、私達に気づいて寄ってきた。



「おじちゃん、ママを見ないで。ボクのママなんだから」

恭ちゃんは、木村くんを睨んだ。




「ママは、ボクを一番目に好きなんだからねっ」



恭ちゃんは、睨みつづけて言った。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ