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挑戦的。




「京子、ローカルモデルのブログにリョウタくん載ってるわよ。いいの、これ?」


休憩時間にリョウタが買い物に行った時に花江が言った。


「RSKのライブ行ってきましたー。最高でした。リョウタさん、カッコ良かったです。ますます好きになりました❤️だって。一緒に撮った写真を載せてるわよ。いいのっ?」


花江は、そのローカルモデルのブログを読み上げて言った。


確かに一応、うちの事務所に所属してるわけだから、勝手に写真を載せられては困る。しかしローカルモデルのブログに、いちいち苦情入れるのも考える。




そのことを仕事のことで店に来たマネジャーの真吾くんに言った。


「ダメでしょう。リョウタくんは既婚者ですよ。そんな若いモデルに勝手に写真をアップされちゃ、誤解まねきます。京子さんにも迷惑かかります。そのモデル、ライブの日にラジオの取材とかいう理由でリハに来てリョウタくんと写真撮ったんですよ。ブログにアップしていいという許可してないです。たぶんローカル事務所に所属してると思うんで、オレ電話しますよ」



そういうと真吾くんは、ローカルモデルの所属事務所を調べて、早速電話していた。



東京で営業やっていただけあって、真吾くんは仕事が早い。取り引きも交渉も上手い。


「すぐモデルに注意して、ブログを削除するそうです」

真吾くんは電話を切って言った。



「さすが真吾くん。でもブログのモデルと一緒に撮った写真のリョウタくん、まんざらでもないような顔はしてたわよ。これからも若い綺麗な女性が、リョウタくんに言い寄ってくるからもしれないから、京子、気をつけなさいよ」


花江は私を煽るように言った。



確かにバンドマンって、既婚者でもモテる。

モデルやらタレントやら、綺麗な女性にファンだと言われれば悪い気はしないだろう。




私のような40歳過ぎのオバサンが若い女性に勝てるわけがない。




「やっぱ大人の女性の魅力で行くしかないわよ。若い女性は最初はいいが疲れるのよ。そこを大人の魅力で、余裕と母性を見せなきゃ」

花江は、また語り出した。



大人の魅力ねー。




今日は料理教室の生徒の披露宴に招待されている。

デキ婚だったので披露宴はしてないそうで、子供も2才になったし披露宴を行うそうだ。



「お義母さん、京子は?披露宴に行くって言ってなかっけ?」

朝から居ない私を心配して、リョウタが母親に聞いた。


「美容院に行ったのよ。ほら帰ってきたみたいよ」



私は玄関を開けた。


「京子ーっ。すげーいい。色っぽい。最高ー」

「ママー。きれいー」



リョウタと恭ちゃんが私を見て言った。


私は母親の一番高い着物を借りて、髪もアップにした。

そうリョウタが好きな着物と、アップ髪にして大人の女性の魅力を出したのである。




部屋に行くとリョウタが後ろから抱きしめて、恭ちゃんが抱っこをせがんだ。



私は優越感に浸っていた。

まだまだ若いモデルなんぞに負けないわよ。



「もう会場に行かなきゃ」

私は抱きついてるリョウタを振りはらった。


「着物じゃ運転大変だろ。送って行くよ」

「ボクも、ママを送るー」


そうしてリョウタと恭ちゃんに車で会場まで、送ってもらった。



「先生ー、綺麗ー。着物素敵です。私も早く着物を着こなしたいです」

私が会場に入ると料理教室の生徒達が寄ってきた。


披露宴に呼ばれたオッサン達も、私に声をかけてきた。

その様子をリョウタは見ていた。



披露宴が終わりロビーに行くと、リョウタ、真吾くん、駿くんの三人が子供を連れていて待っていた。



「京子さん、やべー。着物ですか。色っぽい」

真吾くんが言った。

「京子さん、歌舞伎の奥様って感じですよ。」

駿くんが言った。


「京子先生、花嫁さんより目立ったんですよ。京子先生が祝辞読むときなんか、カメラのシャッター音が凄かったー」


紀香ちゃんが言った。



「シャッター音?ということは京子を撮った奴がいるってこと?」


リョウタが心配そうに言った。

「リョウタくん。事務所の許可取らないとダメだよな。勝手に撮っちゃ」

そう言って、真吾くんは笑った。


「ママー」

恭ちゃんが私に抱っこをせがんだ。


さすがに着物で、4歳の恭ちゃんを抱っこするのはキツイ。



「京子、お先ー」

私達の前を、近所で新郎新婦に呼ばれてた同級生の緒方くんが通った。



私に気安く声をかけた緒方くんをリョウタと、恭ちゃんはジッーと睨んでいた。



その恭ちゃんの睨みかたは、リョウタそっくりだった。










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