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プリンター

リョウタが高校の同級生が出張で、うちの地方都市に来るらしく仲良かった同級生と久しぶりに会うので、飲みに行った。



地方都市の駅前の個室のある居酒屋で、リョウタと高校の同級生である藤井耕太くんは会った。


「リョウタ、久しぶり。子供、何歳なった?」

「4歳。最近、性格もオレに似過ぎて京子が困ってる」


藤井耕太。31歳。東京の大学に行き東京のコピー機のメーカーに就職した。営業をしているらしい。

リョウタとは高校の時、同じ部活でクラスも三年間一緒で、バンドも一緒にやって仲良かったらしいが、耕太くんが東京に行ったので、たまにしか会えないみたいだった。


耕太くんは就職して、すぐ彼女が妊娠し結婚して今は子供が二人いる。現在、4歳年下の奥さんは三人目を妊娠中らしい。



「三人目できたんだって?耕太も三人の子供の父親か。すげーな」

リョウタはノンアルコールビールを飲みながら言った。


「そう三人目だよ。だから女房が妊娠中で、イライラしてて仕事から帰ると、手伝えとかグチグチ言われてさ。キツイのなんのって。専業主婦のくせに、家事に育児に大変なのよって、アナタは何もしないって責められたさ。女房は4歳年下だから、『私は20歳で結婚して、遊んでないのよ。アナタばっかり飲みに行って』と言うし。最近、出張だと一人になれてホッとするよ。その点、リョウタはいいよね。奥さん、働き者みたいだし。オレも年上と結婚すれば良かったかな」


耕太くんは、よほど今の生活に疲れてるのか、リョウタを羨ましく思うのか皮肉めいて言った。


「あっ。ごめん。リョウタだって、婿養子で奥さんの両親と同居で、気使いながら生活してるよな。オレは女房の両親と同居は、絶対無理だ。」

耕太くんは、リョウタに謝った。


「オレは、京子の両親に良くしてもらってるから同居は苦じゃないよ」

リョウタは、耕太くんがストレス溜まっているのが分かったのか責めなかった。


「そうか。ごめん。オレ、仕事も上手く行ってなくて、本社にはいるものの営業成績が伸びなくて、上司には言われるし、家に帰れば女房に言われるしで、いっぱいいっぱいなんだ」



耕太くんは、最新型の複合機の担当をしてるらしいが、複合機といえば企業に売るしかない。しかし中小企業に一台二台の契約しても、あまり営業成績にはならないだろう。コンビニと契約するとか大手の企業で、大口の契約を取るしかないだろう。



31歳の若さで、三人目の子供が出来て奥さんは専業主婦で、自分一人の収入で家族を養わなければならない。

いっぱいいっぱいにも、なるだろう。




リョウタは、11時頃帰ってきた。


「京子、愛してる」

リョウタは後ろから私を抱きしめた。

「どうしたの?酔ってるの?」

「車で帰りたかっから、酒は飲んでない」


じゃあ。急に、どうしたんだろう。


「オレ、京子と結婚して恵まれてるから」

リョウタくんは耕太くんのことを話した。



高校の時、一緒にバンドしてた耕太。

オレは、結婚しても子供いてもバンド続けている。

耕太は、もう音楽を聴く余裕もないと言ってた。

理解ある京子。

理解あるどころか、京子で成り立っている。



結婚したからって、好きなことをやめなきゃいけないんなんて。




私は仕事でtracks Japanに居た。


「この複合機、使いづらいな。また紙が詰まったよ。もっと使いやすい複合機にしてほしいな」

江口さんが紙が詰まって、イライラしてた。




コピー機メーカー KOWI本社。


「藤井、レコード会社のtracks Japanさんから、オマエ指名で電話だ」

営業部長が不思議そうに、耕太くんを呼んだ。




tracks Japanのビル、全フロアーに耕太くんのKOWI社の複合機に置くことになった。

全フロアーで、100台の契約である。



「どうして私を担当にして下さったんですか」


耕太くんは、tracks Japanの担当者に聞いた。


「我が社のエグゼクティブアドバイザーが、藤井さんが旦那さんの同級生で、とても熱心で良い方なのでと推薦しましたので、それで藤井さんをご指名しました」



「エグゼクティブアドバイザー?」


「作曲家のkyoko先生ですよ。旦那さんと同級生らしいですが、kyoko先生は素性は明かしてないので、これは内密にお願いします」




夜にリョウタに、耕太くんからメールがきた。



「リョウタ、ありがとう。奥さんにも、くれぐれも宜しく言っておいてください」















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