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フェイク。

私はドラマの主題歌のことで、大学の後輩でもある脚本家の伊野澤くんに会っていた。

「京子先輩、ドラマの主演の俳優さんが来てるんです。曲に彼のイメージも取り入れてください。」

ドラマの主演は、松坂健人くんだった。

そう私がピアノを弾いた映画の主演をした松坂健人くんである。



「先生っー。ドラマも先生が曲作ってくれたんですか」

松坂健人くんは、私がいたので驚いていた。


「先生って?京子先輩、健人くんと知り合いだったんですか」

伊野澤くんは不思議そうだった。


打ち合わせを兼ねて、伊野澤くんと松坂健人くんと食事をすることになった。

私は遅くなることをリョウタにメールをした。


「じゃあ京子先生の旦那さんのバンドが主題歌を作ってくれるんですね」


松坂健人くんはRSKが主題歌で、リョウタが曲を作ることを知った。


「京子先生の旦那さんは、どんな人なんですか。会ってみたい」

「イケメンらしいよ」

伊野澤くんが、松坂健人くんに言った。



「お連れ様がいらっしゃいました」

店員が個室の戸を開けた。


お連れ様?誰だろ。伊野澤くんが誰かを呼んだのだろうか。

そう思って店員の後ろにいた人を見ると



えっーーー。



そこに立っていたのはリョウタだった。

メールを見て、私が伊野澤くんと松坂健人くんと食事すると書いたから来たのだろう。



松坂健人くんの隣に座っている私を見るとリョウタは、無理矢理に間に入ってきて真ん中に座った。


「へえー。京子先生の旦那さん、京子先生が俺たちと食事してるのが心配で東京まで、わざわざ来たんですか」

松阪健人くんは、リョウタの嫉妬深さに驚いてか言った。


「京子先輩、大学ん時もモテたからな。でも京子先輩、すごい先輩と付き合ってんで、誘いたくても誘えなかったんだよな」


伊野澤くんはマサトと付き合ってた時のことを言ったのだろう。

そうするとリョウタは、一層不機嫌になった。


「伊野澤くん、そういうことは言わなくていいから」

私は伊野澤くんに言った。


「まるで、子供ですね」

松阪健人くんは、クスっと笑って言った。


「はあ?誰が子供だよ。君だって、その顔じゃ彼女くらいいたことあるんだろうから嫉妬くらいしただろ」

リョウタは、松阪健人に歯向い出した。


「オレ、今まで一度も嫉妬したことないので嫉妬なんて時間の無駄ですよ」


松阪健人くんは、嫉妬という感情がないようだ。

こんだけイケメンなら女性の方から寄ってくるだろうから、選び放題だろう。


「へっ。嫉妬したことないんだ。それも哀しいね。それだけ好きな女がいなかったことだ」

リョウタは仕返しにバカにしたように松阪健人くんに言った。


「嫉妬されたことは沢山ありますよ。黙って勝手にオレのスマホ見たり、スマホに女性の名前があると削除されたり、尾行されたり。嫉妬なんて良いことないですよ。悪質です」

これだけイケメンなら、彼女も心配になるだろう。


「その気持ちも分からないでもないけど、好きになったら心配や不安が出るのは当然だよ。ただ、たまたま君の彼女達は行き過ぎたんじゃないかな」


行き過ぎといえば、リョウタも行き過ぎの嫉妬に思えるが自分のことは行き過ぎだと思わないらしく、リョウタは松阪健人くんに言った。


「オレにも、本気に好きになる彼女できますかね」

松阪健人くんは、今までの彼女達に懲りたように言った。


「できるよ。オレだって、京子に出会ったんだから」

リョウタと松阪健人くんは、なんだかんだ言って仲良く語り合っていた。


食事を終えて別れるとき、松阪健人くんはリョウタに言った。


「リョウタさん。カッコいい主題歌作って下さいね。期待してます」


リョウタは、松阪健人くんに笑顔で頷いた。




後日。松阪健人くんがトーク番組に出ていた。


「結婚はしたいですか」

司会者が松阪健人くんに聞いた。


「今まで結婚なんて考えたことなかったけど、あるミュージシャンの方と食事する機会があって、お話をして奥さんをとても愛してるのが伝わって、オレも、ああいう風に愛せる人が出来たら結婚したいなと思いました」








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