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15 宝箱

冒頭の部分を改稿したので一話減ってズレています。


「敵一体、そっちに行ったよ!」


「分かった! 『一閃』!」  


 慎太のひと太刀にワイルドウルフが圧殺され息絶える。


「『集え風霊。風魔の柱。吹き荒ぶ風よ切り裂け。『ウィンドカッター』!」


 もう一体も、強化された魔法を喰らい首元からスパッと切断され息絶えた。


「なんか普通に勝てるようになってきたな」


 剣を肩に担ぎながら慎太が言った。

 戦闘も、最初のものと比べると大分様になってきた。


「掛かった時間は、5分くらいかな」


「そのくらいだね」


 探索を開始してから30分程経過した。途中で発生した戦闘は3回、回避した戦闘は5回。  

 ワイルドウルフ相手には戦えるが、それ以外のモンスター相手にはまだ不足してる感じがする。

 レアドロップと思しき野蛮な剣は初戦闘以降ドロップしていない。ドロップするのは、皮や牙だけだ。

 それと、判明したことがひとつ。モンスターの死体は時間が経てば消える。


 これは二回目の戦闘終了後、剥ぎ取りが行えないかどうか検証していた時に判明したことだ。モンスターの死体は、どうやら10分くらい経つと光の粒子となって消滅してしまうようだった。当然、素人に10分以内に剥ぎ取りなど出来るはずなく渋々諦めることに。

 ドロップするみたいだからそこまで無理をする必要もないしね。


「あっ、部屋だ」


 先行して偵察に行っていた僕は少し先の通路を右折した先に玄室があるのを視認した。

 辺りにモンスターがいないのを確認して、二人を手招きする。


「あそこに部屋がある。行ってみよう」


 小走りに、音を立てないよう気をつけ僕らは扉の把手に手を掛けた。 

 ギギィ、と錆びた音を立て扉が開く。

 部屋は閑散としており、先ほど休憩した部屋と何ら変わりはなかった。ただ、ひとつのものを除いて。


「た、宝箱だー!」


 目を輝かせる皆月さん。

 彼女はそのまま宝箱へ駆けようとする。 

 僕は宝箱を開けようと小走りになった皆月さんを手で制した。


「ちょっと待って。宝箱といえばアレが付き物でしょ」


「アレって?」


「ミミックさ」


 某RPGで宝箱に化けて出現する憎いあんにゃろー。僕も何度あいつに殺されたことか。

 この世界にミミックがいるのかは分からないが、警戒するに越したことはないだろう。


 僕は地面に落ちていた石ころを拾って投げる。

 コツンと当たったきり何の反応もない。

 ……これは、大丈夫なのか?

 一応周りの罠も警戒しつつ、宝箱ににじり寄る。


「大丈夫じゃね?」


 慎太がツンツンと剣の刃先で宝箱をつついて言った。

 どうやら大丈夫と見てもいいようだ。


「それじゃ、開けようか」


 と、僕が宝箱を開けようとすると、


「わ、私が開ける!」


 我先にと皆月さんが割って入ってきた。

 よくいるよね、こういう、バスの停車ボタンを押したがるような感じの奴。

 子供か。

 でもわざわざ僕が開ける必要はないので、ここは大人として譲ってやる。


「ほ、ほわぁぁ!」


 皆月さんが目をキラキラさせながら開けた宝箱の中から出てきたのは……。


「『貴公子の短杖』か……」


 如何にも杖といった体の、木製で地味なものだった。

 皆月さんは渋い表情でそれを見ると、


「イラネ」


 ポイッと、部屋の隅に放り投げた。

 って、


「「うおぉい!?」」


 僕と慎太は慌ててそれをスライディングキャッチ!

 あ、危ない……。


「ちょっ、皆月さん!? 何をしておいでか分かってます!?」


 皆月さんは唇を尖らせそっぽを向いた。


「だって、地味じゃないですかそれ」


 まあ、そうだけどさぁ……。そんな地味なものでも今の僕たちにとっては有難いわけで。


「次からは気をつけてよ。それじゃあ、悪いけどこれは僕が装備させてもらうね。どうやら魔法攻撃力を上昇させる効果もあるみたいだし」


 地味な割には高性能だ。

 二人から了承を得ると僕は短杖を装備した。手に吸い付くような安定感。まるで長年愛用してきたような錯覚を覚える。


 試しに魔法を使ってみる。すると、命中率、安定感、操作性どれをとっても軒並み向上していた。杖さまさまだ。

 部屋で少し休憩してから迷宮の奥に進んでみる。

改稿しておかしな部分が出ていたら教えてくださると助かります!

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