《2》理由
カラーンカラーン。
学校の終わるチャイムだ。
いつもなら
友達と鬼ごっことかして遊ぶけど
今日はそれどころではない。
早くブラックホールに行きたい。
フィスは急いで帰る支度をして
ブラックホールへと向かおうとした。
『今日は緊急集会があります。ただちに体育館に集まってください。』
火星先生の声が学校中に響いた。
緊急?
なんだろ?
他の星たちも不安げに体育館に向かった。
体育館に行くと
太陽先生がマイクを持って話し始めた。
『生徒諸君。これは銀河系の危機とも呼べる大変なことが起きる。静かに聴きたまへ。皆はブラックホールという場所を知っておるか?ブラックホールとは天の川橋の近くにある大きな穴だ。昔、神ゼウス様がお作りになった怪物とも呼べる穴だ。近づいて帰って来たものはいない。そのブラックホールが一段と大きくまた近づいている。そこで、天の川橋の近くを通る事を禁ずる。それほど恐ろしいものだ。絶対に近づいてはならない。以上だ。帰ってよろしい。』
フィスはショックだった。
ブラックホールに近づいてはいけないなんて…
この世の終わりではないかという顔をして
歩いていると、
ポルックスとカストルが
歩いてきた。
「ブラックホールだって、どう思うカストル。」
「一度見てみたいものだね。ポルックス兄ちゃん。」
「やっぱり、見に行くしかないな。カストル、行くぞ!」
「え…でも、ポルックス兄ちゃん。先生たちダメだって…」
「そんなの構うものか。行くぞ。」
「…うん。。。」
その会話を聞いたフィスはそっと二人を追った。