魔王様は子供のように無邪気です。
くらえ!はっ!くっ!やるな!
まだまだこれ位でくたばる私ではないわ!はーーーーーーっ!
ハァハァハァ・・・
ふぅ中々手応えのある者だったな・・・
「魔王様・・・格ゲーやりながら叫んだりするのやめてくれますか?」
「くらえ!」
素早く軽やかに舞う魔王
ダーク・リオンの鳩尾に魔王の正拳突きが鮮やかに決まる
「!?~~~~~~~」
悶絶するダーク・リオン
「ふふふ、気を抜いているからだ!俺だってこれだけ素早く動けるのだ!!」
満足そうな笑顔の魔王
「で、何か用か?リオン」
お腹を押さえながら何とか立ち上がるダーク・リオン
「かはっ!・・・」
吐血するダーク・リオン
「魔王様・・・手加減ってものを知って下さい・・・」
目が泳ぎながら魔王
「防御力もっと上げとけよ~」
「・・・・・・」
「・・・ゴメン」
「しょうがないなぁ・・・もう良いですよ、許してあげます」
「お、おう」
(「何か釈然とせんな・・・」)
「それより魔王、遂に第一勇者を魔界で発見致しました!」
「何!アイツか?あの外道勇者か?」
「いえ、あの勇者達は一歩毎にモンスターが現れるんでレベルこそは高くなっていますが全然先に進めず半泣き状態で既に諦めかけていますよ」
「そうか!良い様だな!・・・でもそう言えば他の四天王が倒された報告受けてないんだけど?」
「そうなんですよ!倒さずに魔界まで来てしまったみたいなんですよ!」
「はー?何それ?手順踏めよ~何の為の四天王だよ!倒せよ~!」
「入り口のセンサーに引っ掛かったばかりなんで今なら入り口付近に居るはずですよ?」
望遠鏡を渡すダーク・リオン
魔王はバルコニーに出て魔界の入り口の方面を望遠鏡で観察した
「え?アレか?・・・マジか?」
「どうしました?魔王」
「ちょっと覗いて見ろよ」
望遠鏡をダーク・リオンに渡す
「・・・」
「見た?」
「はい・・・」
「厳つくて禍々しい装備の奴が一人旅してたんだけど・・・」
「完全に呪われてますね」
「だよな!常に混乱してっから仲間とか連れて歩けねーんだよアイツ~!」
「あんなイカレタ奴の仲間にもなりたくないですしね・・・」
「最早アイツ魔物だよ!」
「でしたらスカウトしてみます?」
「止めとけって殺されるぞ!あーゆー奴は近付かないのが身の為だ!」
「じゃあどうします?」
「・・・・伝説の装備じゃないと城に入れない仕様にしておこうか・・・」
「そうですね、それが懸命だと思います・・・」
今日も魔王様は伝説の勇者を待っておられます。