魔王様は意外と弱そうです。
・・・
・・・
「魔王様?・・・アレ?珍しく今日は何もやってないんですね?」
「ボーッとしちゃってどうしましたか?」
「ん?あぁリオンか!」
「いや、如何すれば勇者達に一泡吹かせられるかなぁって考えててな」
「それで良い案は浮かびました?」
「まぁな」
ちょっと得意げな悪い顔をする魔王
「ほぉそれはどんな?」
「俺一回倒されたら何回か変身する!」
立ち上がりポーズ
(「久々に見たな、このダサいポーズ」)
「はぁ、そうですか・・・」
呆れた顔のダーク・リオン
「何だ不満か?」
「いや、そう言う訳ではなくて何て言うか・・・フツー。」
「だって名立たるラスボス達が変身して来てる訳ですし、これからもたくさん変身する訳ですよ!それを宛も自分が考案して得意気に語られてもですね、勇者達はどう思います?『ふーんコイツも変身するのか』程度にしか思いません!若しくは目新しくなさ過ぎて何も感じません!望む様な驚きのリアクションなんて絶対にとってくれませんよ!解りますか?魔王!!」
息を切らすダーク・リオン
少し気圧されながら魔王
「お、おう」
「でも・・・」
すかさずダーク・リオン
「でもじゃない!変身なんか私でも出来ますから!」
「え?お前変身すんの?初耳なんだけど?」
「しますとも!この姿からあと2回は変身します!」
「お、俺なんか今の状態で530000位だし・・・」
「は?何がですか?」
「え?戦闘りょ・・・」
「はいダメ~、目新しさにかけま~す」
「じゃあ50回位変身すっか?倒す度足の先とかから順番に・・・」
「それは凄い!勇者達が物凄くイライラしそうですね!で?出来るんですか?そんな事?」
俯く魔王
「出来ません・・・2回が限度です・・・何で部下と同じ変身回数なんだよ・・・」
「じゃあ1ターンの攻撃回数を増やしてみては?」
少し顔を上げ魔王
「一応2回攻撃が出来ます・・・」
「え?私は3回攻撃なんですけど・・・」
「!?」
驚き過ぎて口をパクパクさせる魔王
「はぁ、じゃあこの『素早さの種』をあげますよ!使って下さい」
魔王は種を受け取ると直ぐに飲み込んだ
まおうはすばやさが0あがった▽
「・・・・・」
今日も魔王様は勇者達を待っておられます。