魔王様は面倒臭いお方です。
「フッ!儚いものだな・・・」
魔王は魔界の空を見上げ一人寂しくそう呟いた・・・
「魔王様?」
「ん?デミニオンか・・・」
「寂しいならダーク・リオンに『門番辞めて良いよ!』って言えば良いじゃないですか?」
「はーっ?そんな事ないですー!違いますー!ちょっと他の事で物憂げになってただけですー!」
「はぁそうですか?それはどんな事ですか?」
「だってさ~俺って此処で勇者達にただ倒されるの待ってる訳でしょ?何かそれって釈然としなくない?」
「まあそんなもんですよ?」
「お前冷たいな・・・」
「ダーク・リオンならもうちょっと気の利いた事言ってくれるのにな~」
「じゃあ呼んで来ますね」
素早く走り去るデミニオン
「いや、待っ・・・」
2分後
「魔王様このダーク・リオンをお呼びでしょうか?」
跪き声を待つダーク・リオン
「んーいやアレだよ・・・何だろ・・・門番とか辛くね?」
「いえ、命令された事は快くお引受致します」
魔王は耳を掻きながら
「辛かったら戻って来ても良いんだよ?」
「いえ、辛く等はありません魔王様に仕えている事に変わりはありませんので」
魔王は頭を掻きながら
「いや、だから・・・えーと・・・デミニオンあんまり使えねーんだよな~」
俯きながらにやけるダーク・リオン
「では、如何すればいいのでしょうか?」
魔王は赤らめながら
「戻ってくれば良いじゃん!・・・戻って来なよ!」
ダーク・リオンは顔を上げドヤ顔で
「解りました、魔王様が仰るなら仕方なく側近に戻らせて頂きます」
素の顔に戻る魔王
「お前ちょっとムカつくなその顔・・・」
「元々こんな顔ですが何か?」
「そうか?ならしょうがないな・・・」
「ところでデミニオンから聞きましたが何か悩まれているとか」
「そうなんだよ~俺ってこのままただ勇者達に倒されるのを待って居るのかな?って思ったらちょっと虚しくなっちゃってさ~、そしたらさ そしたらさデミニオンの奴さ何て言ったと思う?何て言ったと思う?」
(「ちょっとウザくなってるなぁ」)
「何と申したのでしょうか?」
「ため息を吐いてさこんな顔でさ『まぁそんなもんですよ?』って何?こんな感じのムカつく顔で!ねえ?どう思う?どう思う?」
(「やっぱりちょっとウザさが増してるなぁ」)
「いや~どうと言われてもですね~」
困り顔
其処へデミニオンが現れ
「は~っ?俺そんな顔してねーっつーのー!!!」
「してました~こんな顔~い~だ!!!」
キリッとした顔でデミニオンは
「してません~こんな顔でした~」
魔王は挑発するような変な顔で
「違います~嘘はいけませ~ん」
デミニオンは少し哀しい顔をし鼻息混じりに
「もう・・良いですよ・・それで・・・」
静に立ち去るデミニオン
罪悪感に苛まれながら強がる魔王
「何アレ?俺・・・悪いかな・・・?」
呆れた表情でダーク・リオン
「魔王様デミニオンに謝って来なさい」
「え?」
「謝って来なさい!」
「うん、分かった!」
走って謝りに行く魔王
「デミニオ~ンごめんて~」
魔王様は意外と素直ないい子です。