魔王様は退屈でおられます。
我は魔王ヘル・カイザー
この魔界を支配する王、そして人間界をも支配しようと目論んでいる。
我を倒そうと勇者なる者共が旅をしているらしい…ふふふ、早く来るがよい我が貴様らを八つ裂きにしてくれる!!
「魔王様?」
部下が呼ぶ。
「何だ、ダーク・リオン。この私に何か用か!」
魔王の威圧的な鋭い眼光で怯えながらリオンが返した。
「魔王様怖~い、そんなに凄んじゃっていつもの魔王様じゃないみたいですよ~」
「うわ~冷めるわ~せっかく魔王らしくしてたのに~」
「それに何ですか?さっきの語りみたいなの」
「だって何か語りとかしてみたい気分だったんだも~ん」
「てか、勇者まだ?」
ダーク・リオンは手にしていた報告書に目を通した
「ん~、一番近い勇者でもカテゥラ村を攻略してる所見たいですね」
「エ~まだそんなもんなの~魔王つまんない~」
「そうだ!暇だから最初の街の周りでエンカウントしてやろうぜ!」
魔王とは思えない程無邪気な笑顔
(「魔王様何か可愛い...」)
「いやいや、そんな事したらゲームバランスおかしくなりますよ!」
「良いじゃん別に、こんな風にさ」
まおうがあらわれた▽
まおうはぶきみにわらっている▽
ゆうしゃのこうげき▽
ダメージはあたえられない▽
まおうのこうげき▽
まおうはベギラゴンをとなえた▽
ゆうしゃは115のダメージ▽
せんしは122のダメージ▽
そうりょは109のダメージ▽
あそびにんは118のダメージ▽
ゆうしゃたちはぜんめつした▽
「ってな具合にさ~、そんでもってまた現れた時に勇者達はビビッて選択するだろ?『にげる』をでも言ってやるんだよそこで『知らなかったのか、大魔王からは逃げられない』っつって~」
「いや、カッコいい名言を使いたいのは解りますが流石にそれは勇者に悪いですよ!」
ちょっとカチンと来る魔王
「勇者に悪いって何だよ!強くなった勇者達にむざむざやられろってか?」
「レベル上げまくったアイツらにやられて『このラスボス弱すぎ~』とか言われんだろ!そんな殺生な~、ちょっと位良いとこ出させてよ~」
「でもそんな序盤に出て来る魔王なんて卑怯過ぎて逆にカッコ悪いですよ?」
「・・・そうかな?・・・そうだよな・・・」
ちょっと落ち込む魔王は静かに玉座に座り
「よし、俺ここで勇者を待つ!!!」(キメのポーズ)
(「魔王様そのポーズカッコ悪いです」)
今日も魔王は勇者達を待っておられます。