†Ring of Destiny†
ある神話に登場する、さすらいの旅人が女神と恋に落ちたお話です。
星の夜に出会った二人。
そして恋に落ち、運命の歯車が動き出す―――
悪神に連れ去られた女神を救うために、旅人は様々な困難を乗り越え、指輪をはめた主を死へと導く破滅の指輪を手に入れます。
それは強大な力と引き替えに自分の命を削るという、恐ろしい取引きでした。
彼は『愛する恋人のためなら、自分の命など惜しくはない!』と指輪をはめました。
世界を滅ぼすこともできるほどの力を手に入れた彼は指輪に命を削られていく苦しみに耐えながら戦いに一生を捧げ、女神を救い出し、壮絶な人生の末に息絶えてしまいます。
それを悲しんだ女神は空に輝く月へと姿を変え、神々の計らいによって夜空の星となった旅人は女神と結ばれました。
二人は互いに地上を見守りながら今も幸せに暮らしています――。
遠い過去の記憶
それは
綴られ 捲られ
重なってゆく
深く刻まれた印は
魔法の言葉となって
時を結ぶ
運命の指輪に導かれ
迷い込んだ月の夜
こんなにも静かで
こんなにも綺麗な世界に
旅人は恋をした
女神の髪には輝く宝石
星雲のように空を流れる
流れる記憶は走馬灯
幾多の敵を葬った
夢幻の剣よ
汝の刃に光るのは
遠い誓いを立てた歴史
表紙を捲り
本を開けば
そこは伝説の世界
女神と旅人の恋物語
その序章に綴られた
遥かなる調べは
銀色の旋律に乗って
虚空に響く
遠い未来の記憶
それは
綴られ 捲られ
重なってゆく
深く刻まれた証は
願いの言葉となって
時を解く
運命の指輪に導かれ
迷い込んだ星の夜
こんなにも哀しく
こんなにも寂しい世界に
旅人は恋をした
女神の髪には煌めく宝石
星雲のように空を流れる
恋人の涙を頬に受け
抱かれながら消えてゆく
また会える事を信じ
別れは言わない
物語は終わり
二人の願いは
煌めく太陽へ託される
漆黒の騎士には
約束された救済を
純白の女王には
約束された再会を
やがて運命の糸は結びつき
幸福の音色が夜空を染める
愛する人よ
闇に輝く、慈愛の女神よ
どうか、その輝きを失わないで欲しい
何時までも、いつまでも
貴方の傍にいたいから…
読んでくれている方に感謝!
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