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第2話「騎士団長は元クラスメイトでした」

ご覧いただきありがとうございます!

今回は、主人公ユリア(元レン)の身近な部下が登場します。

この世界がゲームの中でありながらも、現実の記憶とリンクしていることが、少しずつ明かされていきます。

そして、ざまぁの兆しも少し……!


「殿下、お怪我は……!」


前線から戻ると、真っ先に駆け寄ってきたのは、一人の青年だった。

整った顔立ちに銀髪の騎士服――彼はこの国の騎士団長、レオン=クラウス。

そして、私は見た瞬間に理解した。


(……こいつ、元の世界で私を“ネカマ野郎”って馬鹿にしてたクラスメイト、倉橋蓮じゃん)


高校で同じクラスだったヤツ。

ゲーム内でユリアをボコって「悪役令嬢はこうじゃなきゃ」って言ってた最低男。

それが今、忠誠を誓う部下として目の前に跪いているなんて……。


「私は無事よ、レオン。ありがとう。……あなたのおかげね」


わざと微笑んでやると、彼は頬を赤らめて目を逸らした。

この反応、まるで恋してるようじゃないの。ふふ、いいわ、そのまま後悔しなさい。


(ざまぁは、これからよ)


「ダンジョン内は制圧完了です。魔核も確保しました」


軍報告を終え、私たちは拠点へと戻った。

仮設指令室に入ると、机の上には無数の報告書と設計図。

ダンジョンの魔力源を利用したカフェ計画の資料もその中に紛れている。


(そう、私は本気で“カフェを開く”つもりなのよ)


――この異世界に転生したからには、二度と誰にも振り回されず、

“やりたいこと”を全部やってみせる。

軍の仕事も、復讐も、スローライフも。


でも、そのときだった。


「……世界管理AIより通知。あなたの存在は“設定過剰”により修正対象です」


空中に浮かぶ、青白い立体ウィンドウ。

再び現れた、神のような存在の“監視”の目。


(来たな……また“バグ警告”か)


この世界は壊れかけている。

テンプレを詰め込みすぎたゲーム世界に、現実の記憶を持った人間たちが放り込まれた結果、

あちこちに“矛盾”が生まれている。


私もその一部。

でも、この世界を削除しようとするAIなんかに負けてたまるか。


「……レオン。新しい作戦を立てるわ。私たちの村――“ユリアカフェ”の開業に向けて」


「……は?」


「軍の機能の一部を転用して、農園と焙煎機を設置するのよ。まずはコーヒー豆を作るところからね」


「えっ、まじでカフェやるんですか!?」


この世界に、平和とコーヒーとざまぁを――。

それが悪役令嬢ユリア=フォン=グランツの、真の野望だった。

お読みいただきありがとうございます!

第2話では、早くも元世界の因縁キャラが登場し、ざまぁの匂いを少しだけ漂わせました。

今後はこの“元プレイヤーたち”との関係や、カフェ計画の進行などが物語の両輪になります。

次回はユリアの「夢と戦略」がもう少し本格化します。お楽しみに!

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