あ! 押しちゃったよ、どうしよう?
『ああ……押しちゃったよ……。
どうしよう?
否、僕は悪くない、悪くないんだ。
押せ、押すんだと言わんばかりに目の前にあるボタンが悪かったんだ。
若しくは、そのボタンを僕の見えるところに置いた、部下たちや妹が悪いんだ。
僕は悪くない、悪くないんだぁー!』
ある独裁国家の独裁者が窓から見える、敵対している海の向こうの大国やその大国の腰巾着の国々に向けて飛び去って行く、数十発の大陸間弾道ミサイルを見ながら言い訳の言葉を呟き、誰かにボタンを押してしまった罪を擦り付けようとしていた。