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「ミサオサマ」 エピローグ
「おはよう、藍さん。」
「ああ、おはよ。」
ミサオサマの事件があってから一週間が過ぎた。
凛華もすっかり元気になった。
あれからミサオサマの噂は、ぱったりとなくなった。
後からわかったことだが、ミサオサマ…赤坂操をいじめていた人たちは皆、死んでいることがわかった。
そして、俺を狙っていた理由。
それは、俺があの御守りを持っていたことだ。
あれはミサオサマが祖母からもらった、大切なものだったらしい。
あの時に見たフラッシュバックのような光景は、あれ以来見ていない。
刺された腕も、ミサオサマが消えてすぐ、まるで、最初から刺されていなかったというほど、綺麗になくなっていた。
…ミサオサマは、成仏したのだろうか。
あれから何度かあの崖を訪れているが、あの狐も、ミサオサマも、一度も見ていない。
『【ミサオサマ】
・赤坂操の成れの果て
・いじめがきっかけ
→崖から落とされた
・目的①復讐(いじめっ子に)
・目的②御守り探し(→俺が狙われた理由)』
崖下の石のそばに花を供え、手を合わせる。
赤坂操が、祖母に会えるように願って。