ヴァン・ミラージュ
この作品に描かれている内容は、
如何なる実在する人物、組織への誹謗中傷を意図したものではなく。
現実世界のいかなる団体、個人を指し示すものではなく、
全て物語でありフィクションであり、実在の人物・団体、実際の事件とは一切
関係ありません。
彼の名前は、田中どこにでもいる平凡な人間だ。職業は、無職年齢は三十代男性。趣味は、エロ漫画と
AV鑑賞。巷では彼のような人間のことを陰キャやオタクと言ったりしたが、彼は違った彼は、
もはやただの無キャだった。これと言った特徴はなく趣味もない。まさに存在そのものが無だった。
日本には、彼のような存在が蔓延していた。
そんな無趣味の彼が唯一趣味といえるのが、異世界転生もの作品を読むことだった。
美少女メイドに囲まれての生活や最強のスライムに転生して皆から慕われる生活、弟子の美少女が
自分を慕ってくれてその弟子と恋愛関係になり結婚する話、神話上の魔王の生まれ変わりになり
学園で無双する話、クラスメイト共に異世界に転生し冒険して最も可愛いクラスメイトと恋愛する話。
大賢者の孫に生まれ変わり無双する話。
そんな話ばかりを読んでいるうちにだんだん自分が異世界転生の主人公のようなきがした田中は、
自分でも異世界転生ものの小説を書いてみることにした。しかし、難産の末書いた小説は、泣かず飛ばずで
誰も読んでくれない。そこで、彼は自分が実際に異世界転生をしてその体験記を異世界紀行として
記すことにした。
目を開くと眼の前には、神様がいた。
「よっ!」いかにも神様っぽい神様は、軽く私のことを受け入れる。
「全く困りますね。こんなところに呼び出すなんて私は、忙しいんですよ」
「いや〜! すまんな…今、幻の英雄を探して追って。実は、君がその幻の英雄だったんじゃよ」
神様は、優雅にコーヒーを啜る。
「え? まいったなそんなこと急に言われてもこっちは何も聞かされていいないし」田中は、急な提案に
困惑する。
「そこを何とかたのめんかの今まで百万人を転生させてきたんじゃが、やっとの思い出君のことを見つけたんじゃ
少しは、わしの身になってくれい」神様は、老体を労ってほしそうに自分で自分の方をトントンとわざと
らしく叩く。
「そんなこと急に言われてもなぁ」田中は、まんざらでもないよう表情で断る。
「あ〜もうパチンコの時間じゃとりあえず、世界を頼んだぞ」
「は? 世界を頼んだ? 何言ってるんだ?」
「ヴァン・ミラージュ! 幻の英雄!」
しかし、残念なことにこれらは、全て彼の妄想に過ぎなかった。
異世界のチュートリアルが始まる。ここが現実世界で言えば空港のゲート兼入国審査所になっていた。
当然ここで引っかかった人間は、異世界転生などできない。
巨大な円形の受付には、多くの冒険者たちが集まっていた。受付では、白黒のメイド服を着た受付嬢が
世界各国の人間の異世界転生の相談や審査を行っていた。
「で、問題の人は?」
「こちらです」異世界のチュートリアル係のメイドと対象的な騎士の男性が、取締を行っていた。
どうやらゲートで問題を起こしてる男性がいるらしかった。ここは、現実世界と異世界をつなぐ要所で
現実世界の空港同様にテロの標的になることがよくあった。そのため異世界の騎士たちが厳重な監視を行っていた。一人の男が問題を起こしていた。
「ちょっと許可できません」
「離せ!」
「はいはい! どうしたの」騎士が受付嬢と暴れている男との間に入っていく。
「私は、幻の英雄! だぞ! 私が一秒でも早く異世界にいかなければこの世界は滅びる!」
「お金がないみたいです」受付嬢は淡々と話す。異世界に入るのにはお金が必要だった。入国税が
かけられていた。しかし、ミラージュと名乗る男は、お金がなかった。服装も大手スーパーで売っている
オリジナルブランドで非常にやすいものだった。靴から服全て足しても1万円行くかどうか怪しいぐらい
やすい身なりだった。
「お兄さんどこから来たの?」
「我は、エクプレシア王国から来た使者、ヴァン・ミラージュ!」
「無職の日本人の方ね」騎士が、書類で淡々と情報を確認する。
「最近おいいですね。日本の無職の方」
「一体いつまで待たせるのだ。我は、千年ぶりの勇者の覚醒として召喚されたもの早くヴェルムーン王国を
救わなければならない。そうだ! ダルカン王に連絡を取ってくれそうすればすぐに話しがわかる」
「強制送還対象だな」騎士は、その場で田中の書類にサインし強制送還の印鑑を押す。
「そうか! 表の名は、ルキウス王この名を名乗れば分かるだろ!」異世界の妄想に取り憑かれた田中は、
ひたすら一人で誰も聞いていない演説を続ける。




