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実験的にしばらく投稿時間を変えてみます
よろしくお願い致します
彼女を見送り、自分も帰宅した。
そして考える。
この作戦を実行するには
協力者が必要不可欠だ。
しかし戦力にならない、
志を共にしていないものを
中枢に置いても邪魔になるだけだ。
基本的には来るもの拒まず
去るもの追わずの精神だが、
深く関わるものについては
吟味しなければならない。
とりあえず組織として、
いくつかの幹部と
それらの管轄下のメンバー
さらにメンバーが増えていくと
その下の幹部も作りメンバーを
あてがっていく。
会社でいう部長課長係長のようなかたち
で
僕の中ではこれが一般的な組織図だ。
このような組織を作っていくが、
まずは組織の中枢である幹部を揃えたい。
今のところ五人は欲しいと思っている。
その下はまぁおいおい適当に
集まっていくだろう。
まずは組織の核である中枢メンバーの確保
ここに力を入れるべきだ。
さて、既に僕はメンバーを一人
手にいれているが、どうしたものか。
個人的には幹部として構成員を
引っ張っていくというより
自分の補助をして欲しいと考えている。
何故なら彼女もどちらかというと、
リーダーというタイプでは
ないということがひとつ。
もうひとつは極めて個人的な理由だが、
唯一の幼馴染であり、
僕を一番良く知っている彼女に
傍で正して欲しいからだ。
自分では気付かないうちに暴走
してしまうこともあるかもしれないし、
自分の意見に対する
人の意見を聞いてみたいということもある。
要は相談したいということだ。
客観的に自分を見てもらうことが
できるため、
僕の性格を熟知している彼女は
いわば第2の黒宮未偉也のようなものなのだ。
僕の細かな変化に気付くことができる
彼女にこの役割は適任であろう。
何より一人で進めていくことは不安なので、
そんなにメンタルの強くない
僕にとって、このポジションは必要不可欠だ。
さらに彼女の自身の能力のこともある。
じつは彼女は頭がいい。
学力テストではいつも学年トップだ。
しかし、
家での彼女も知っているが、
人一倍勉強している印象もない。
彼女は勉強ができるだけでなく、
効率の良い方法を瞬時に理解し、
実践できる力があった。
さらに、たとえばネットで調べて、
折り紙で複雑な恐竜のようなものを
すぐに上級者と同じように完成させて
みせたことがあった。
芸術的なセンスもあるのだろうか。
思い出すところでは、
砂場遊びで作った城は、
明らかに子供のクオリティではなかった。
あのときは
すごいとは思ったもののそこまで
すごさが理解できていなかったが、
城の構造の理解と技術が必要な
作品を幼稚園児にして作り上げたのだ。
とまぁそんなような逸話がいくつかある。
彼女は天才だと思っているが、
この性格のため世にはでていない。
その気になれば簡単にテレビに出れたり、
誰もがほっとけない才能を持っているのは間違い。
さらに、人柄においても
申し分なく、一番知っているからこそ
一番信用できる人物でもあるため
幹部の基準のひとつである
信用度も充分満たしており、
幹部というか、僕の秘書的な
ポジションとし最適な人材といえるだろう。
でもまだ二人だ。
これから増やしていかなければならない。
まずは規模を拡大していくために、
カリスマ的な幹部が欲しい。
また、日常が続くが、
平行して計画も進めなければならない。
学校に通って、
マインドコントロールを覚えて
計画を進めて、
彼女とは出掛けたり、
普通に遊んだりもしているが、
家で計画について話し合うことがある。
彼女は一人っ子であり、
日中親が仕事で留守にしているので、
小さい頃は何度かお邪魔していた。
お互い昔からゲームが好きで、
よく遊んだものだ。
早速付き合った翌日から昔のように、
家にお邪魔している。
そんなある日の帰り道
紫音ちゃんと一緒に帰ることになった。
いつもは部活のため
別々に帰っているのだが、
今日は部活が休みになったらしい。
「ねね、二人なんか変わってない?
学校ではそっけなくしてるけど
わたしにはわかるよー」
紫音ちゃんがいきなりそんなことを
言ってきた。
どうやらまだ言ってなかったらしい。
僕たちは顔を見合せ
麗奈ちゃんが認めた。
「うん…付き合ってる……」
「どっひゃー!
ついに!
どっちからどっちから?
ねぇねぇ!」
興奮冷めやらぬ様子の彼女を
麗奈ちゃんがなだめていた。
「まぁまぁ
それはおいおい……」
「んんん~言えないことでも
あるんですかな~
すでにやましい関係とか?
あ!」
さっきから奇声をあげてばっかりだ
忙しいやつ……
「テスト!
今回やばいのよわたし
ねね麗奈ちゃーん教えてくれない?」
僕たちの学校ではもうじき
テストが行われる。
成績が良いとはいえない彼女は
赤点を回避しないとまずいらしい
「ほら、黒宮くんも
教えてあげるから
ねっねっ」
君が教えるわけではないだろう
黙って麗奈ちゃんの方を見ると、目があった。
不安そうにしている
「勉強も大事だからやろっか」
そういうと彼女は
「うん……三人で頑張ろー」
「ありがとうございます先生!」
「よろしくお願いします先生!」
ぼくも紫音ちゃんに乗っかった
こういった茶番も好きだったりする
恥ずかしそうにしている彼女の家に
さっそく向かい、
僕たちは勉強を教えてもらうこととなった。
案の定麗奈ちゃんは
紫音ちゃんに付きっきりになっており、
僕は後でいくらでもきけるので、
気になるところはメモし
自分でひたすら問題を解いている。
今は紫音ちゃんに譲ってあげることにした。
ただ、
紫音ちゃんが教わっているのを聞きながら
時折気になるところは
僕も入って聞くようにしていた。
麗奈ちゃんの説明は分かりやすく、
自分では理解していると思っていたところでも
完全ではなく新たな発見があるのだ。
そんなこんなで夜になり解散することとなった
「ありがとねー
麗奈ちゃーん
これで赤点は回避できそうだよー」
といい麗奈ちゃんを抱き締めた
こうしてみると姉妹のようだと思った。
そうして紫音ちゃんが帰って、
いつものように僕たちは
ご飯を食べることになった。
「ねね、今日はもうちょっと残っていい?」
「ん?いいよ勉強?」
「うん、ごめんね
今日ずっとだったのに」
「大丈夫、説明するのも勉強になるから……」
そしてご飯を食べて、勉強を教えてもらい
解散した。
僕たちは純愛派なので、
まだ一緒に泊まって……みたいなことはないのだ。
そしてテスト当日
麗奈ちゃんはいつも通り全教科満点で
僕は今までで最高の点数だった。
紫音ちゃんも赤点は回避できたらしい。
ということで、勉強会はかなりの成果を納め、
表でも優等生といえるような
結果を残すことができた。