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世界征服してみた  作者: 伊藤源流斎
第1章 黒と桃
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1-4

――――――――――――――――――――――――――

それはまだけたたましく鳴り響く

蝉の音が聞こえ、蒸し暑さの残る

夏休みも終わりかけのある1日だった。


僕はうんざりしていた。


当たり前の日々の繰り返し。

人は醜く忌むべきもの。

人はみな仮面を被って生きている。


自分の利しか考えていないのに

カリソメの正義を振りかざす。


他人の利を重視して、

本当の正義を勝手に振りかざすならまだいい。


こちらの知ったことではないが、

正しいことをするのは

立派といえるだろう。


ただ大抵の人間は結局は

自分のことしか考えていないのだ。

だから矛盾が生じる。

教師が一番良い例だ。


立場上生徒を教育しなければならず、

仕方ないとはいえるかもしれない。

だが、自分が出来もしないことを強要する。


例えば、簡単なことでは、

悪いことをしたらごめんなさい。

謝るのは当然だし、大人は子供にそう教える。


だがプライドの高い大人はこれすらいえない。

なのに悪いことをしたら謝れというのだ。


いじめを見てみぬ振りをする教師もいる。

当然いじめはよくないと言いながらだ。


そんな世の中だ。

いじめというほどではないが、

かくいう僕も被害にあったことがある。

教師は全員偽善者だ。


自分の人生に深く絶望してるわけではなく、

自殺する理由がない。


それに、自分を産んでくれた親は

なにも悪くないのに、


悲しみを背負いながら今後生きていって

欲しくなかった。

それが僕の生きる理由、

死ねない理由だ。


これが僕の人生観だった。


それが変わったのだ。

というよりも具体的な指針がみえた。


きっかけはその日たまたま流れていた

テレビの番組だった。


それは一昔前の宗教団体の特集だった。


マインドコントロールにより洗脳し、

意のままに操れるらしい。


そのときふとひらめいた。

それができるということは、

人間には人を洗脳する能力があるということだ。


であれば人間の力で

僕の力で、

思いのままの世界を作る。

つまり、世界征服をすることが

可能なのではないかと・・・


そう考えたとき、ある思いが頭をよぎった。


このまま腐って死ぬくらいなら

歴史に名を残すような挑戦をしてみるのも

ありではないかと


僕はワクワクした。

具体的な目標ができると人は強い。

余計なことを考えずに済む。


そうと決まれば

まずは仲間を集めなければならないし、

世界征服するための知識もない。


当面マインドコントロールの知識を集めつつ、

仲間はおいおい集めて行くことにした。


ネットでも調べるが、

本から積極的に知識を得ることにした。

本には著者の知識が詰まっている。


専門的な知識を得たいなら、

ネットよりも手っ取り早くて確実だ。


学生の身分で資金がそれほどあるわけではなく

場所もとるので、図書館で本を借りる。


まずは速読から始めた。

速く読む技術を身につければ、

吸収速度があがる。

単純な理由である。


というわけで速読の本。

マインドコントロールや心理学に関する本、

また記憶術や勉強法など、それを覚えて定着できる手段を

身につけるための本も借りた。


今後も継続して借りていくつもりだ。

1日一冊以上読めば

そのうち身に付くだろう。


というわけで次は仲間集めも

考えなければならない。


人間を完全に信じているわけではないが

一人では色々と限界がある。


その仲間だが、以前の自分と同じで、

人生において、確固たる目標を

持っていないものが望ましい。



その方が乗せやすいだろう。


特にやることも見つからない、

時間を持て余している若者を

一緒に世直ししませんか?

良いことをしませんか?と誘うのだ。


自分が何をしたいのか、

このまま

時間を浪費していいのだろうか

そう思っている人もいるだろう。


それに、人はどうせなら

よき行いをしたいと思っている。


それは自己肯定感を高め、

自己満足に浸れるから

ということもあるだろうが、

そんなことはどうでもいい。


僕はそいつらを集める

SNSで集めるのが手っ取り早い。


ネットで興味を持つものがいれば、

勝手にコンタクトをとってくるはずだ。


さっそく

フイッターでアカウントを登録した。


別にアプリはなんでもよかったが、


登録者数も多いし、簡単に

誰もが見える状態で文章の投稿や

チャットのやりとりもでき、

個人間のやりとりもできる。


後は自分が登録したことがあったし

楽だからだ。


名前はNEWWORLDから、

『NW』にした。

正直適当だが、新しい世界を目指しており、

分かりやすい名前なので

こんなもんでいいだろう。


怪しいアカウントではあるが、

正直に呟けば、数人はひっかかるはずだ。


興味本意のやつも適当にのせて操ればいい。


そして夏休みは終わった…



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