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世界征服してみた  作者: 伊藤源流斎
第1章 黒と桃
1/12

1-1

はじめて書きました

見て頂けたり、感想頂けたら嬉しいです。

書き方がおかしかったり、誤字、脱字等もあるかとは思いますがご容赦頂けるとありがたいです…

週1ペースで更新していけたらなーとおもっております

どうぞよろしくお願いします(._.)



ジリリリリリ!


けたたましいアラームの音で

僕は目覚めた。


今日から二学期である。


手短に準備を済まし、

新たなる思いを胸に新学期の教室を目指す……



僕は黒宮未偉也くろみやみいや

一般的な家庭で育った普通の高校生だ。


どこにでもいそうな外見だが、

強いて特徴をあげるなら身長はやや低めで、少し

中性的な顔立ちをしていることくらいだろうか。


特段勉強ができるわけでも、

できないわけでもない。


運動が得意な訳でもなければ、

これと言った特徴のない

平々凡々どこにでもいるモブ高校生である。


ただ好奇心はそれなりに旺盛であり、

心が読めると言えば少々大げさだが、

人が何を考えているかはなんとなくは分かる。



しかしこれは良いことばかりではない。


好奇心が高すぎる故に知りたがり、

心が読めるばかりに

人が敢えて言わないことまで分かってしまうのだ。


世の中知らなくていいことは山ほどある。


当然というべきであろうか、

僕も病みに病んだ経験がある。


知りすぎることは時に不幸になるものなのだ。


鼻水垂らして何も考えず走り回れたら、

どれほど楽だっただろうか……


そんな思いが頭をよぎったのは

一度や二度ではない。


ただ、今はそんな僕だからこそ出来ることもあると気付き、

悪くないと思うようにしている。


それが僕である。

従来慎重な性格であるが故に、ネガティブであった。


ネガティブ……つまり悪い方向に考えてしまう

ということだが、それは悪いパターンを

より多く考えることでもあり、

裏を返せば慎重ということなのだ。


その上高い好奇心からか、

知りたいと思ってしまえば、

結果マイナスにしかならないようなことでも

考えてしまう。


そのような思考を持っているからであろうか、

今まで生きる望みを持てていなかった。


当たり前の日々の繰り返しに辟易していたのだ。


だが今は違う……


人生において目標を持つことができたのだ。


それを達成できるかどうかは

別として今は余計なことは考えず、

ただ一つの目標に向かってひた進めることが楽しい。


心なしか姿勢は伸び、

表情も変わったきがする。



自信がついたからだろうか

人間関係に関する不満も感じなくなった。


ああいったものは結局他人ではなく、

自分の内側に問題があるのだろう。


今後のことを考えると少しでも

周りに好意的に見られた方がいい。

なによりそう思える余裕が

できたということだろう。


今まで気を遣わなかった服装や、

髪型にも気を遣っている。


我が花ノ宮学園は私服制の高校である。

今までは親が買ってきた服や、

兄のお古を適当に着ていただけだった。


でも今はある程度流行りを調べて、

自分に合ったものを選ぶようにしている。

早速夏休みの間に、それとなく調達した。


髪も今まで1000円カットの散髪屋で

適当に短くしてもらっていただけだったが、

美容院でそれとなく整えてもらうことにした。


人気の美容院を調べたのだ。

値段は今までの5倍以上で、財布にはとてつもない

打撃をうけたが、とりあえずは必要な経費

だと思うことにして、心を静めた。


いわゆるイメチェンである。

これが功をそうしたと言って良いだろうか

教室に入るなり、好奇の目が

一気に寄せられることとなった。



「黒宮君どうしたの!?もしかして女!?変わりすぎじゃない!?」


鼻息荒く話しかけてきたこの人は、

桜ヶ丘詩音(さくらがおかしおん)


クラスは僕と同じ2-Aであり、

東欧系とのハーフで、

身長は僕より少し高いくらいだろうか。

お人形のような顔という表現があるが、

まさにその通りな、洗練された美形である。


その上、人懐っこい性格で他クラスにも友達は多く、

当然のように男子の人気も高い生徒だ。


僕は詩音ちゃんと呼んでいるが、

彼女とは中学の頃からの付き合いで、

それなりに良くしてもらっている。


比較的無口な僕がクラスで浮くことなく、

うまくやっていけてるのはこの人の

影響あってこそなので、感謝はしている。


ふと視線を感じると詩音ちゃんの後ろに

隠れるようにしながら、

こちらを伺っている少女がいた。

幼馴染である桃井麗奈(ももいれな)だ。


彼女は麗奈ちゃんと呼んでいる。

今思えば二人とも下の名前でちゃん付けだが、

決して僕が女性に慣れているわけではなく、

どの流れでこの呼び方になったのかも、

忘れてしまった。


麗奈ちゃんとは家が近く、

小学生の頃は一緒に学校に通ったりもしたが、

思春期に差し掛かったこともあり、

どちらからともなく今の距離感に落ち着いた。


お互い積極的に話すタイプではない

ということもあるだろう。

仲が悪いというほどではなく、

会ったら話す程度の親密さはある。

そんな距離感だ。


「みーくんが色気付いてる…これは女…」


新学期そうそう二人して

なんて言いようだろうか

モテてないのを知ってるくせに…


ちなみに麗奈ちゃんの方も詩音ちゃんのような

目立つタイプではないが、

小柄で整った目鼻立ちをしており、

小動物を彷彿とさせる可愛らしさがある。


男子から告白されたことも今まで何度かあったようだ。

積極的なタイプではないが、話してみるとさりげなく、

ギャグセンスが高かったりする。

といっても人見知りが激しい彼女の

そんなギャップは、一部の人しか知らないことではあるが……


さらには温厚な性格であり、

詩音ちゃんは多少強引なところがあるが、

彼女がストッパーになったり、

フォローを入れる場面を何度か見ている。


簡潔に言えば、無口なのに面白く、

積極的に人と関わることが苦手なのに、

さりげない気遣いが出来る。

そんな性格であると僕は思っている。


「いやまぁ僕もちょっとは、

高校生らしい格好しよっかなーってね」


僕がそう言うと、間髪入れずに、


「いや良い!そうするべきだよ!

黒宮くん素材は良いとおもってたんだよねー

すごい似合ってるよー

B組の田嶋ちゃんも、大興奮でね!

秘密の花園倶楽部の仲間としては鼻が高い限りだよー」


と、捲し立てる詩音ちゃんであった。


「そう?えへへありがと」

田嶋さんに関してはちょっと顔も思い出せないが、

それとなく笑顔をつくって適当に返しておいた。


秘密の花園倶楽部とかいう如何わしげな団体は

中学時代この三人ともう一人で結成というか

詩音ちゃんが勝手につくったいわゆる仲良しグループだ。


グループ名も当然紫音ちゃんがつけた。

興奮気味にそれだけぶちまけると、

そそくさと自分の席に戻っていった。


それにともなって麗奈ちゃんも帰っていく。

心なしか彼女の頬は赤く染まっている気がした。

二人して興奮しすぎだ。


そんなに僕がオシャレしてるのが面白いのか。


「よう未偉也、彼女できたんだってな、おめでとう!」


ニカッと歯を見せながら嫌味ったらしく

近付いてきたこの男は

緑川蛍(みどりかわほたる)

こちらも中学からの付き合いで、身長は180近くあり、

性格はちょくちょく鬱陶しいところはあるものの、

友達想いで熱い一面もあり、それなりにモテてたりする。


先ほどの秘密の花園倶楽部なるグループの

最後の一人であったりするが、今となっては昔の話だ。


高校では先程のように話の流れで出てくるくらいで、

他の人から呼ばれることもない。


彼は、友達が少ない僕にとって一番仲が良く、

親友と呼べる存在である。

しかし、鬱陶しいので無視することにした。


「ちょ、おい」

「無視すんなよー冗談だってー」



これが僕の今の学園生活だ。

多くはないがそれなりに友達もいる。


積極的なタイプではないが、いわゆるスクールカースト的にも

悪くない位置にいれている。


彼女は居ないが仲の良い女友達もいるし、

客観的に見ていわゆるリア充に近い

ポジションにいると考えていいだろう。


これは中学の頃築いた、秘密の花園クラブ発足からなる

友好関係があってこそであり、

ほぼ桜ヶ丘紫音のおかげである。


僕たちには彼女に感謝してもしきれない恩があるのだ。


現状僕の学園生活はこんな感じで

立ち位置としては悪くはない。


これらの学園生活はあくまで表の顔

表ではそれなりにいい顔をしとけばそれでいいだろう

僕には僕のプランがあるのだ。


学校では適当にやりすごしつつ、

授業中は誰にも見られないようノートに、

今後の具体的な計画を書いたり、考えたりしていた。


家に帰ったら本を読んだり、計画をメモったりしている。

ノートは一週間で一冊埋まる勢いでできていった。


そんな中僕の中でちょっとした事件が起きた。


同じクラスの女の子が僕のことを好きだと言っているらしい。


相手は峰岸だか根岸だかいう顔はなんとなくは思い浮かぶが、

あまり記憶にない女の子だ。


何で分かったかというとクラスメイトが話しているのが、

聞こえてしまったのだ。


何も普段から盗み聞きしてるわけではないが

感覚的に過敏なところがあり、

耳や鼻はよくきく。


人間自分の情報は耳に届きやすいものらしい。

稀にクラスの声が漏れ聞こえて

本来知り得ない情報を知ることがある。


ただまぁそんなことは別にどうでもいい。

僕には僕で計画があるのだ。


・・・

夏休みも終わり数日経った頃、

僕にとってそれを上回る

大事件が起きた。


二学期が始まってしばらくした後の放課後

おもむろに麗奈ちゃんが近付いてきて、


「ねぇ…久しぶりに一緒に帰らない?」

頬を赤らめそう語りかけてきた。


その性格からか今まで、向こうから話しかけられることはほぼなかった。


麗奈ちゃんとは長い付き合いでもあるし、

何かあったのではないか、とまず心配がさきにたった。


当然断る理由もないので、

「いいよ」

一緒に帰ることにした。


読んで頂きありがとうございます(._.)

今のところ月曜日夜更新の予定です

よろしくお願い致します

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