表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デスゲーム  作者: 夜市
6/12

stage:5 死の始まり



『おはよう諸君。よく眠れたかな?』



ガガガという妙な音と共に、頭上から男の声が聞こえてきた。


「きゃぁ!?」


「っ!?」


由美とケイトは驚いて上を向くと、そこには一台のスピーカーが備え付けられていた。


『さっそくだが、今からゲームを行わせてもらう。』


「はぁ?ゲーム?」


『ルールは簡単。武器を持って殺し合えばいいんだ。』


「こ…殺し合う!?」


由美はとんでもないとばかりに、大きく目を見開いてケイトの方を見た。

一方のケイトも、バカバカしいと溜め息を吐いていた。


『詳しい内容は、各自部屋にルール説明の紙を置いてある。必ず読んでおくように。でないと、死ぬよ?』


スピーカーの中の男は、クックッの喉を鳴らして笑った。


『じゃあ、健闘を祈る。』


そう男が言うと、スピーカーは音を発しなくなった。


「…殺し合いって、凄く良くできた冗談だよね。」


部屋の中を見渡しながら、由美はボソリと呟いた。

よく見てみれば、所狭しと置かれている銃や刃物やら簡単に人が殺せそうな道具が並んでいる。


「そうでもないみたいだぜ?」


いつの間にか立ち上がっていたケイトが、テーブルの上にあった紙を持ちながら言った。


「え?どういうこと?」


「まぁ、取りあえず来いよ由美。」


「え?あ…うん。」


由美は、ケイトに言われるがままにベットを降り、彼に近寄った。


彼女は正直驚いていた。

勿論、この現状にもだが、どうして、ケイトは会ってそんなに時間は経っていないのに親しくできるのかと。

あやしいとは思ったりしないのかと。


しかし、彼女はルールの紙を見るなり、


あぁ、それで…。


と、なにかを理解出来たように頷いた。










デスゲームのルール説明。


今、各自の部屋には男女1人ずつのペアで入ってもらっています。

そのペアはチームです。

なので殺しの対象にはなりませんが、もし相手がかけた場合はそのもう片方の方は失格になりますのでお気をつけください。

また、このゲームはポイント制になります。

1日毎(午前0時)に、こちらが順位を付けて放送を入れますので、最下位の方は失格になります。

なので、最終的には1組のペアしか残らない仕組みになっています。


ポイント説明―――

1人を殺した場合は5点

ペアを同時に殺した場合は10点

かすり傷、又は何らかの傷を与えた場合は1点


※なお、ゲーム中にボーナス点を与える場合があります。




武器や道具について―――


武器や道具は基本的に自由です。

各自の部屋に備え付けられている武器を使用するなり、相手の武器をうばうなりしてください。

もちろん、拾っても構いません。


ルールは以上です。

万全の準備を行っておいてください。

このゲームは、気の緩みが命取りになります。

ではご健闘をいのります。



※食糧は所々に用意されています


◎失格者について


失格だとわかりしだい5分後自動的に首に付けられた首輪が爆破します。

また、外そうとしても無駄です。

諦めてください。




※部屋を出るとゲーム開始になります。

なお、一度部屋を出ると自動的に鍵がかかるので部屋に入る事は出来ません。







「俺とお前がペア?」


「そうみたい…。」


「……まっ、なるようになるか。」


ケイトはそう言うと、紙をテーブルの上に置き、ドサリと椅子に座った。


「ど…どういう意味!?」


由美も、ケイトの一言が勘に触ったらしく、怒りながら椅子に座る。


「それより…。」


「え?…なに?」


「これから、どうする?」


「どうするって…。」


「不用心に出てみろ。確実にアウトだ。間違えなく、殺される。」


真剣な顔つきで言ったケイトの言葉に、由美はゴクリと息を飲んだ。

確かに彼の言うとおりだ。

無計画で外に出れば、確実に死は免れない。

かと言って、このままジッとしていても、待っているのは"死"だけだ。

しかし、それよりも、なぜこのような事に巻き込まれたのだろうか。



「だから、先ずは外の様子を確認してから行動する。わかったか?」


「……。」


でも、それはきっと彼も一緒なのだろう。


作戦を考えるケイトの顔を見ながら由美は思った。


「おい!!聞いてんのか!?」


「…え!?あ…うん、聞いてるよ。」


「ったく、何考えてんだよ。」


いつの間にか由美はボーとしていたらしい。

ケイトは困ったように溜め息を吐いた。


こんな事で大丈夫なのか…と。



「何歳かなぁ…て思って。」


「は?」


「あ…いや…。」


しかし、そんな彼の気持ちも知らず、由美は変な事を口走った。

それを隠すように、彼女は慌てて口を塞ぐ。


「18だ。」


「は?」


「歳だよ、歳!!お前が聞いたんだろ!?」


「あ。」


「…ったく。」


ケイトは気恥ずかしそうに頬を掻いた。


「ごめん…なさい。」


「別に。で、お前は?」


「じゅ…16歳…。」


「ふーん、年下か。」


「うん。」


由美はケイトの言葉に頷いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ