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デスゲーム  作者: 夜市
11/12

stage:10 殺人への恐怖

生存者:残り190人(95組)



「いたぞ!!銃を構えろ!!」


いきなり、ケイトはそう叫びながら甲冑を蹴飛ばした。

私は何事かと思い振り向く。


「残念だったな、ゲームオーバー。」


するとそこには、兜の取れた甲冑から顔を出した同年代くらいの横たわる男の人と、その人の頭に銃を突き付けるケイト。


あぁ…あの人…殺されるんだ。こんなくだらないゲームのために命を落とすなんて…。


私は彼等から目を逸らした。

これ以上見たくない、そう思ったからだ。

そして、遠くを見つめる。



あぁ…そういえばお父さんどうしてるかな…。


ちゃんと朝ご飯を食べたかな?


ちゃんと朝ご飯の用意出来たかな?


ご飯は自分で炊けたかな?


不器用な父だから出来てるだろうか不安だ。


それに、私がいなくなって大騒ぎしているのではないだろうか。


こんな時に不謹慎かもしれないが、それでも心配で堪らない。


でも、それよりも…早く帰りたい。


帰りたいよ…。



「あれ?」


そう思いながら、私は何気なくケイト達から少し離れた甲冑を見た。

すると、キラリと何かが光っている。

よく目を凝らしてみると、


あれってまさか…


女の人が、震えながら銃を構えているのが見えた。

彼女の狙いはきっとケイトだ。

銃口がハッキリと彼を捉えていえている。

しかも、肝心のケイトは気付いていない。


このままじゃ殺される。


ケイトが…殺される…。


殺…され…る。


ケイト!!







「ケイト!!危ない!!」


「え?」







パァン―――













私の叫び声と、銃声が辺りに響いた。


気づけば私は、銃を女の人に向けて 引き金を引いていて。


「あ゛…う゛…あ゛ぁ゛…――。」


女の人は、唸りながらゆっくりとその場に崩れ落ちた。


「ハァハァハァ……。」


妙に鼓動が速くなる。息が荒くなる。

妙に体が震える。

妙に……いや、死ぬほど恐い。

撃った自分が…恐い。













恐い恐い恐い恐い恐い恐い。










「……恐いよ…。」



私の目から一粒の涙が零れた。

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