寄生虫
執務室で最高指導者が直立不動で立つ高官を怒鳴りつける。
「兵士を意のままに操るため虫を寄生させているのに、その寄生させた虫ごと隣国に逃亡されるとはどういう事だ!」
「申し訳ございません」
「虫による洗脳が上手くいっていないのかも知れんな。
逃亡した兵士が所属していた部隊の者全員を、より強力な虫を寄生させた 兵士達とに入れ替えろ」
「はい! 直ちに実行致します」
執務室から走り出ていく高官を見送った最高指導者は、口から最高指導者の身体を乗っ取った寄生宇宙人の顔を覗かせ、母星にこの失敗をどのように取り繕って報告するか考えるのであった。