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45 魔王レマンド襲来


俺の朝は小鳥のさえずりから始まった。


「クェェエ!」


いや、小鳥と呼ぶには大き過ぎたな。ダチョウくらいのサイズはあるな。


「クェエエエ!」


こちらに向かって羽を大きく広げながら威嚇をしてくる大鳥。


この距離ならクイックを使わずとも間合いを詰めることは容易。

俺は『硬化』を発動し、自身の速度だけで間合いを詰め、大鳥を上空へと蹴りあげる。すかさず地面を蹴り、大鳥より高く飛ぶと、体を回転するようにしてかかと落としをお見舞いした。


大鳥は地面に吸い込まれるように叩きつけられ、絶命した。


《レベルが28から29に上がりました》

《スキルポイントを獲得しました》


1レベか…まぁ上がらないよりかはマシか。


それよりこの大鳥、食べれたりするのかな。見た感じは毒性は無いようだが。

一応、味覚は戻ったみたいだから美味いものを食べたいという欲はある。


『ご主人様、お部屋に居ないと思えば、外にいらっしゃったのですね』


ゴレが木製のドアを開けて出てきた。


『ああ、目を覚ますために外に出てたんだが、こいつに襲われかけてな』


俺は大鳥を指さしながら言う。


『朝からこんな鳥に襲われたんですか…この鳥、どうしますか?』


『出来れば捌いて食べたいと思っているんだが…どう捌けばいいのか分からないんだ』


『上手く出来るか分からないですけど、私にやらせてもらえませんか?』


『やってくれるのか? それなら頼もうか。失敗しても大丈夫だから、怪我だけはするなよ』


『はい!』


初めておつかいを頼まれた小学生みたいに嬉しそうにしてるなぁ。

そんなに鳥が捌きたかったのかな。


『えと、まずは血抜きから…』


ゴレは風魔法である風刃(ウィンドカッター)で鳥の首を切り落とした。


『紐かなにか、血抜きのために木に吊るし上げたいんですけど』


『紐はないが、蔓ならあるぞ』


俺は腕から細く強度の高い蔓をいくつか出し、鳥に絡みつけて木に吊るし上げた。


『ありがとうございます! 後は、吊し上げている間に、香辛料になりうる物を見つけれたら…』


香辛料…国に行けばあるんだろうが、ここは鬱蒼とした森。

国は近いが、魔物故に入るとかの問題以前に、近寄ることすら出来ない。


地竜戦において最前線で戦っていたんだけどなぁ。

まぁ、今は魔物だし仕方ないか。我慢だ我慢。


おっと、そんな事より香辛料。何か代用できそうなのがあればいいんだけど。


そんな事を考えていると、目の前の小さな木に何かあるのが見えた。

緑色の木の実らしきものが実っている。


一応、鑑定さんを使いますかー!


『カラムーチェの実:カラムーチェの木に実っている。熟すと赤く変色し、甘くなるが、熟していない緑色の実はとても辛く、その辛さは辛いもの好きの間でも上位に名前が出てくる程』


これはもしや…使えるんじゃないか!?


俺は実っているカラムーチェの実を少し採った。

そしてこれを蔓で編んだ籠に入れて、ゴレの元に運んで行った。


『どこに行ってたんですか?』


『これ、使えないか?』


平べったい石の上に実を全て出す。


『カラムーチェの実! これなら使えますよ!』


『なんだよ、知ってるのか?』


ゴレは土魔法で作り出した石で実をすり潰し始めた。


『よし、これくらいで大丈夫! 後は血抜きが終わってる鳥をおろしてと』


雨水を溜めておくように作られたと思われる窪みのある岩に水魔法を使いお湯を出し、そのお湯に鳥をつけ始めた。


『何でお湯につけるんだ? 何か効率がいいのか?』


『こうすると羽がむしりやすくなるんですよ』


なるほど、というか何でそんな事を知っているのか…進化をしたからか?

まあいいか。


『次は産毛を焼き切ってから、内蔵を取り出します!』


火魔法で軽く表面を焼いて、産毛を焼き切る。

次に、内蔵を取り出すそうなのだが、風魔法だと内蔵を傷つける可能性があるらしく、俺の鋭利で切って欲しいと言ってきたので慎重に切らさせてもらった。


『内蔵を取り出したら、水洗いをします』


水魔法を使い、綺麗に汚れを洗い落としていく。


もう見た目が美味しそうになっている。


『水気を拭き取ってから…ご主人様、何にして食べたいですか?』


『手羽先とかも良いが、今回はシンプルに丸焼きにするか。本当は中に何か詰めたいとこだが仕方がない』


『それじゃあ鳥の丸焼きにしますね』


水気を拭き取った鳥にカラムーチェの実をすり潰したものを隅々まで塗りたくっていく。


『じっくり炙っていきましょう』


火魔法の火柱を一番火力を抑えた状態にして、鳥全体に火がいきわたるようにして、しばらく放置する。


『何から何までやってもらって、ありがとうな』


『いえいえ、お役に立てて何よりです』


本当にいい子だ。普通に泣けてくるわぁ。


「何をしておるんじゃ?」


鳥が出来上がるのをゴレと2人で待っていると、ベルムさんが帰ってきた。


『ちょうど、野鳥を仕留めたから朝ご飯にしようかと思ってな』


「ゲルボロ…お前さん1人でゲルボロ鳥を仕留めたのかの?」


『朝っぱらからいきなり襲ってきたからサクッと仕留めたけど、まずかったか?』


「まずくはないが…まぁお前さんは単体で地竜の群れに突っ込める程の力の持ち主じゃからな。ゲルボロ鳥をサクッと仕留めれるのも納得じゃわい」


なんかよく分かんねぇけど、この鳥そこまで強い鳥だったのか?

攻撃するより先にこっちが攻撃したから、どれ程の力かも分かんなかったしな。


そうこうしているうちに美味しそうな匂いが漂ってくる。

ゲルボロ鳥の丸焼きが完成した。


『ご主人様、切り分けの方お願いしてもいいですか?』


『おう、任せろ』


丸焼きをうまいこと3等分にした。


「ちょっと待っとれ、皿とナイフを持ってくるからの」


『ベルムさん、せっかくだし豪快に手づかみで食べるってのはどうだ?』


「少々野蛮じゃが、まぁたまにはええかの」


獣人もちゃんと皿やナイフを使おうとするんだな。

いやいや、別に馬鹿にしてるとかそんなんじゃないぞ。


『食と命に感謝。いただきます』


『えと、いただきます…?』


「いただきます? なんじゃそれは?」


ゴレは戸惑いながらも俺を見様見真似で手を合わせてやってるが、ベルムさんは気になるのか手を合わせずに何をやっているのか聞いてきた。


『俺の住んでいた場所では、食べる前にいただきますと言って手を合わせるんだ』


「なるほどの、礼儀正しい場所で育ったのじゃな…まったく、魔物とは思えんわい」


魔物と言っても、元は人間だからな。俺は遠目から見ると、緑色のゴツゴツした大男に見えるが、近くで見ると普通にぎこちない顔の怖い魔物だしな。それに念話でしか喋れないし。


あー!考えるな!せっかくの飯が不味くなる!

よく味わって食べよっと!


まずは一口、表面の皮がパリッと音をたて、柔らかい肉が口の中で肉汁を撒き散らしている。二口、三口と次から次へと肉が口に運ばれていく。


気がつくと俺の目の前からは肉が消えていた。誰が食ったかなんて明白だ…俺だ。


『ご馳走様でした。いやー食った食った!』


『ごちそうさまでした。美味しかったですね』


「美味かったが、お前さんらそんな容姿で味が分かるのかの?」


失礼だなぁ。最近進化の影響か知らんけど、味が分かるようになったんだよー。


『少なくとも、人並みには分かると思っているよ』


なんだろ、まだお腹がすいているんだよなぁ。

正直、生でもいけるけど感染症とか色々怖いから避けるけど、てか植物も感染症とか起こるのか。


「そうじゃ、お前さんらを国へ招きたいと思ってあの後、皆にお前さんらの事を話したんじゃが、結局受け入れてもらえんだ」


『そんな事やってたのか…俺らは魔物で、あんたらは獣人。受け入れてもらえないのが当たり前なんだから、そう悲しそうにしないでくれ』


「じゃが、お前さんがおらんだら地龍殿の暴走は止まらんだかも知れんからの」


『獣人の王様が魔物の俺なんかを看病してくれた。それだけで十分だ』


「本当にお前さんというやつは…お礼には小さすぎるかもしれんが、この大木の家をお前さんらにプレゼントしよう!」


『これを貰っていいのか?』


「勿論じゃ、そう簡単には腐らんし、倒れることもないじゃろ」


どこからか王を呼ぶ声が聞こえる。


「そろそろ戻らねばならんの。どこかへ行くのじゃろ? 気をつけて行くんじゃぞ」


『ベルムさんも気をつけるんだぞー』


何かと獣人は狙われやすいのかもしれないな。

各種族がどう敵対しているのかが分からないから、確かなことは言えないが…。


『何か忘れているような?』


そういや、鳥の丸焼きで思い出したけど、ダチョモドが居なくないか?

俺達みたいに変なとこに飛ばされたか、それともダンジョンボスだから外には出てこれなかったとかか?

またいつか会える日が来るか。


まぁ、ちゃんとした人型の魔物を目指してレベル上げに励もうかな。

人型の魔物になったら、獣人の王と堂々と握手をしたいもんだ。


魔物と友好関係を結ぶ国ってどうなんだ。結構怪しくないかそれ。


そんな事を考えているとゴレが焦ったように報告をしてきた。


『ご主人様!何者かがすごい速度でこちらに向かって来ています!』


『なんだって? 人か魔物か? 何が来るのか…』


こいつはまずいかもしれないな。

地龍率いる地竜の群れの次だ。何が来るかなんてだいたい決まっている。


地龍を操っていたやつが、直々に潰しに来たってとこだろ。

地龍を操るなんて事が出来るなんて、相当だろうな。


『き、来ますよ!』


『戦闘態勢に入れ!』


『はい!』


すごい圧だ…地龍程じゃないが、普通に凄いぞ。



そちらがやる気なら、こちらも全力でいかせてもらうぞ!!



夜空

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草鬼 LV29

ステータス

HP:1700/1700(50up)

MP:1440/1440(40up)

SP:940/940(40up)

攻撃能力:1220(50up)

防御能力:1190(40up)

魔法能力:730(30up)

速度能力:1120(20up)

抵抗能力:730(30up)

スキル

「真蔓の鞭LV6」「草の音色LV4」「痺れ粉LV5」「腐蝕苔LV1」「鑑定LV5」「硬化LV9」「水泳LV2」「念話LV5」「鋭利LV極」「状態異常耐性LV8」「猛毒生成LV6」「隠密LV5」「クイックLV8」「状態異常攻撃LV6」「アイテムボックスLV2」「鬼力LV3」「身体強化LV5」「HP自動回復LV5」「MP自動回復LV2」「SP自動回復LV2」「再生LV1」「竜力LV1」

魔法

「植物魔法LV2」「土魔法LV5」「回復魔法LV2」「水魔法LV6」「封印魔法LV2」

スキルポイント:3950

称号「雑草魂」「人族殺し」「突然変異」「可能性」「状態異常マスター」「異物を吸収する者」「強靭な蔓」「巨人族殺し」「鬼心」「竜殺し」

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